☆しろの雑記帳☆


7/30 癒しの水郷の街、エアフルト

エアフルトは飛行機に乗るためドレスデンからフランクフルトへ戻る途中、途中下車して立ち寄った街です。
今回訪れた中で、いちばん知名度が低いかも。パッヘルベルがカノンを作曲した街です。
これもNHKなんですが、名曲アルバムのカノンの回の映像を詳細にチェックして、出てくる箇所はだいたい訪れました。
街の中を水路が巡る美しい街で、中世には藍染めで、現在はクリスマスマーケットとクレーマー橋で有名です。

クレーマー橋は、橋の両側に店が立ち並び、橋から川面が見えません、ヨーロッパの古い街にときどきある構造。
今は絵本やアンティーク、手作り雑貨などのかわいいショップが並んでいます。
橋の一角に資料館があります。橋の建物の中で、ここだけは二階に上がって橋を見下ろせます。
エアフルトや橋の歴史、古地図や、歴史的建造物の昔の図版と今の写真を比べた資料などを展示しています。
あんまりおもしろいので、係りの人の許可をもらって、夢中になって資料ファイルを撮影してたら、ルポライターかと聞かれました。
いえいえ、ただの中世都市オタです。すいません。

     
橋の入り口のアーチ、昔は教会で通行税を取っていたとか           橋を外から見たところです。左が南側、右が北側。

     
右側手前の木組みの家が資料館です   お店のウィンドウの藍玉のディスプレイ      スパイス屋さん              骨董店、ちょっとお買い物しました

アウグスティーナ修道院、ここは宿坊があり、教会部分は一般公開されています。
教会の場所がわからず、宿泊スペースに迷い込んでしまいましたが、修道院の回廊が中庭になっててすごく素敵。(撮影してません)
ちょっと泊まってみたいなあ…無神論者でも泊めてくれるかなあ。もちろん、教会もとてもきれいでしたよ。
マルティンルターが修道士をしていて、彼が紋章にした薔薇のマークはこの修道院の装飾に由来するという説があるとか。

     
修道院の宿泊スペース、一度泊まってみたいなあ              教会部分、これも美しかったです

エアフルトには他にもいくつか教会があります。いちばん有名なのは大聖堂。
ドム広場に面して大階段があり、その上に大聖堂と聖セヴェリ教会が建っているのが、街のランドマーク…なのですが
ドム広場が工事中で正面の大階段が登れず、後ろの出入り口から裏階段を上がって、教会にたどり着きました。
大階段から広場と街を見下ろすと美しいはずなのですが、でも、裏階段も教会の複雑な建築が見られて、面白かったですよ。
この広場はクリスマスマーケットで有名なので、工事が夏になるのは仕方がないんでしょうね。

   
       丘の上の大聖堂と聖セヴェリ教会               複雑でなかなか美しい裏階段     大階段から見下ろすと…全体的に工事中のドム広場が…

他にもいろんな教会があって、どれもきれいなのですが、観光名所ではないようで、中に入れませんでした。
名曲アルバムの映像にも出てきた、カウフマン教会とルターの像。
プレディガー教会はパッヘルベルがオルガン奏者をやっていた教会です。
たまたま夕方からコンサートがあるとかで、教会の方が準備されてました。
パッヘルベルの教会でコンサートなんて素敵ですが、宿泊予定のフランクフルトまで2時間かかるし…ちょっと無理でした。
最後の聖ニコライと聖ヤコビ教会は、由来はよくわからないのですが、ファサードがすごくきれいで…
でも、入り口の門が閉まっていて、この角度でしか写真が取れず、塔のてっぺんが写ってない…これも残念。

   
カウフマン教会とルター像          パッヘルベルのプレディガー教会         聖ニコライと聖ヤコビ教会

ドイツの街で、旧市街を囲んで堀があるのはよくありますが、エアフルトは街の中を細い水路が巡っています。
現在は、水の公園のように整備されて子供が遊んでいる場所もあれば
路地と水路が複雑にからんでいて、一部は暗渠のようになってたり、個人宅の前にプライベートな橋がかかっていたり…
地図で水路を探して、それをたどって歩くと、水を取り入れた美しい街並みが次々と現れ、目を奪われます。

クレイマー橋の北側は水路公園のようになっていて、観光客や地元の方が涼んでいました。
夕方になると子供たちがたくさん集まってきて、水の中に入ってはしゃいだり、散歩中の犬が水を飲んでたり…
水辺の石の上に座って、そんな光景を眺めているだけで楽しいです。

   
橋の下は一部浅瀬になっていて、歩いてくぐれます            観光客のたまり場            水面に写る緑が涼しげです

めぐった中でここが一番美しかったです。狭い路地を抜けると、いきなり小さな橋の上に出て、目を驚かされます。
建てこんだ家の間の路地で、水路は家々の裏側を流れているので、橋の上に来るまでそこに水路があるとはわかりませんでした。
水の上に張り出した出窓、垣根の代わりに植えられた木が水辺に影を落として、木々の間を小鳥が飛び交って
ほんとに、いつまでもたたずんでいたいような美しさでした。
こんなところに住めるなんて、うらやましいなあ…(ときどき観光客がとおりますけどね)

   
       橋の上から見た水路               茂みに隠れた出窓          クロウタドリが歌ってました

水路以外でも、美しい街並みがそこそこに見られます。
水と緑に彩られた街はほんとにきれいで、いつまでもぐるぐる街歩きしていたい気持ちになりました。
もうトシだし、荷物引っ張って一人で旅行するのはけっこう疲れるのですが、水辺を歩いていたらなんだか癒されて
旅の最後にこの街を選んでよかったと、しみじみ思いました。


   蔦の絡む木組みの家        古い石壁は大好き           水辺の家々              名残のバラ     舟形に飾られたフラワーアレンジメント

長々と旅行記にお付き合いいただき、ありがとうございました。ご退屈でなければよかったのですが…
うん十年ぶりにドイツを旅しましたが、やっぱりドイツは広いですねえ…
国中に見どころがたくさんあって、そのほんの一部を回っただけですが、それでも移動時間が多くて、中高年には結構大変。
前回のオランダはどの移動も1時間程度でしたが、今回はどこも2時間以上かかり、その分早起きしたりしてなんかあわただしくて…

それに、ドイツは経済的にも大国なので、訪れた場所にもよるのでしょうが、地方でも大都市が多かった印象です。
都会の博物館も大変興味深いのですが、なにしろ中世オタなので、展示物を一生懸命見てしまい
読めない解説を必死で読むから、そのあとぐったりしてカフェにへたり込んだり…
その点、最後にマイセンとエアフルトを訪れたのは良かったかも。
小さな美しい街並みを歩きまわると、緑が多いので気持ちが安らぎ、落ち着いた人々の生活にほっとします。

ドイツはまだまだ行きたい場所があるのですが、今度行くとしたらどこをどんなふうに回ろうかなあ。
なにしろ、欲張りで見たがり知りたがりのくせに、体力も経済力も限りがあるわけでして、なかなか計画が難しいところ。
でも、まだ少しでも体力が残っているうちに、行きたいところには行っておこうと思います。
また旅行に行ったら、雑記帳にご報告いたしますので、その折はまたお付き合いいただけましたら幸いです。


7/29 マイセン、世界ふれあいネコ歩き

ドレスデンからローカル列車で30分ほどのマイセン。
古くからザクセン選帝侯の家系が領有し、ザクセンの揺りかごといわれる街です。
ドレスデンから、日帰りで行ってきました。エルベ川沿いに走る列車が最後に橋を渡り、マイセン旧市街につきます。
かの有名なマイセン磁器は、アウグスト強王が錬金術師ベドガーに命じて作らせたもの。
製造方法が他に漏れないよう、ベドガーはマイセンの丘の上、アルブレヒト城に閉じ込められていたそうです。
城はそのまま磁器工場として使われるようになり、その後、工場が丘のふもとに引越して、今に至るとのこと。


橋を渡る列車の窓から見たマイセン旧市街。このシルエットも有名ですよね。

旧市街駅の近くのマイセン工場、博物館が併設され、磁器の制作過程をツアーで見学できます。日本語のガイドフォン付きです。
職人さんが制作過程ごとの実演をして下さる部屋を通って、成形や絵付けの工程を順番に見学し
そのあと、古くからのマイセン磁器のコレクションと現代作品のショールームを見られます。
でも、マイセン高!ちょっと背伸びすれば私でも…というお値段の製品はまったくなし。
素晴らしいコレクションを眺めて、ひたすら目の保養です…。

       
ご存じ、マイセンの双剣マーク  型抜きした花びらからお花を作ります  上絵付けの工程   磁器完成前のベドガーの初期作品  コレクションから、鳥と花の時計

コレクションから、一番眼をひかれた逸品を…お花や鳥や虫などがいっぱい付いた大きな花瓶です。
あんまりびっくりして、夢中で写真撮ってたら、制作年代を見るのを忘れました。すみません。
上の時計は、18世紀の型による19世紀末の再製造らしいので、そんな感じかも…
さすがに、チョウチョの翅がかなり欠けてましたけど、そんなの気にならないくらいの美しさです。

     
いろんなお花、いろんな小鳥、いろんなチョウチョ、足の部分にカタツムリとトカゲがいます。どれもリアルで精巧で美しいです。

丘の上にはアルブレヒト城と、その隣に大聖堂が建っています。
とても美しい教会でした。ミニコンサートやってたみたいなのに、知らなくて聞き逃してしまいました。残念。

   
教会の正面            内部がとても美しいです               中庭も素敵でした

アルブレヒト城。かわいく見えますが、中はとても広くてびっくり。
磁器ができなくて悩むベドガーと、出来上がったものをアウグスト強王に見せているベドガーの壁画が有名ですよね。
でも、酒浸りのベドガーの方は修復中で足場の向こうでした。これも残念。
他に、磁器工場だった時代の解説や、磁器の作品、中世の封建制についてなどの展示がありました。
大変興味深いのですが、解説がドイツ語オンリーで、おまけにメタルやガラスに印刷されていて、写真がうまくとれず…涙

     
左手の入り口は狭そうですが、実は広大なお城です  城内のネオゴシックのヴォールト  ベドガー(中央)とアウグスト強王(左)   ほんとに磁器工場だったんですね

お城は丘の上にあるので、大変見晴らしが良いです。展望台もあるし、丘の上にカフェも何件かあります。
お城の見学に疲れたので、景色を眺めながら一休み。

   
   いちばん眺めの良いカフェです       この時期のドイツはちょうどイチゴが旬です     丘の上から見えるマイセンの街とエルベ川

さて、前にも書きましたが、しろはNHKの旅番組「世界ふれあい街歩き」のファンなのです。
で、マイセンに行くなら、以前見たマイセン編でめぐった美しい路地を、ぜひ自分も歩いてみたいと思ったわけなんです。
個人宅も訪れる番組なので、当然番組サイトの地図はぼかしてありますし、ドイツではストリートビューがあまり使えず
地図上のどの道なのかなかなかわかりませんでしたが、何とか旧市街についてはほとんどの地点を特定することに成功。
番組では旧市街を通ってお城まで登っていましたが、その道を逆向きに歩いてみることができました。

お城から出て、門をくぐり(番組では、門の近くのおうちを訪問)、坂をずっと下ると、壁に窓のある印象的な家があります。
番組ではこの家でオカリナの練習をしてたんですよね。印象的な窓(一枚だけガラスがない)や扉は番組で見たまんま。
その正面の急な階段を下りると、マルクト広場に面した聖母教会の裏に出ます。多分昔は教会の敷地だったらしい空き地。
画面で見るより斜面の急な空き地は、半分駐車場になっていて、そこに猫がいました!番組で見たのとほとんど同じ場所に!
まさか同じ猫?…と思って、日本に帰って確認したところ、別の個体でした。猫は他にもいたし、多分猫だまりになってるんですね。
猫までそっくり同じところにいたのが、自分でもかなりびっくりしました。番組同様、全然逃げずに草むらの中に…


オカリナは流れていませんでしたが…  急な階段を下りて曲がると、この写真の奥の階段に続いています  番組と同じく茂みの向こうに車がとまってます  猫がいた〜〜びっくり!

以前郵便局があった奥の路地にあるおもちゃも、そっくりそのまま。(配達員の人形は動かせないように固定されてましたが)
迷路のおもちゃ(写真ないです)とカタツムリのおもちゃは動かせて、触ってたら、子供が来て一緒に遊んでくれました。

右の写真は、プチプチの貼り付けてあった壁のあったあたりです。…さすがにプチプチはなかったですが…(あったら驚いたろうな)
かわりに、夏について書いた詩のようなものがかけてありました。
壁の反対側の家の窓辺に「祭」と書いたうちわが飾ってあって、これもびっくり。多分、プチプチを貼っていた男性の家ではないかと…
これはNHKスタッフのお土産なのか、取材を受けた男性が日本に興味を持って入手したのか、写真を撮っても大丈夫かしらと考えてたら
窓の中から男性に「Hello!」と声をかけられ、焦って「ハロー」と返して、逃げてしまいました。(汗
あれは番組の男性だったのかなあ…変に質問してご迷惑かもしれないし、つい逃げてしまいましたが、ちゃんと聞けばよかったかなあ。

   
     風にゆらゆら郵便配達員     カタツムリ、本当は両側から競争するんですよね    左手奥がプチプチの壁、手前がトロンボーンのお庭

画面どおりの美しい石壁や石畳、坂道や階段、それに映える美しい緑を自分の目で見られて、とっても満足。
テレビ画面と、ネットの地図を見ながら、格闘したかいがありましたよ。番組取材班にも、感謝です。
でも、テレビで見た個人宅が、実際に目の前にあるのって、ちょっと不思議な気分でした…。

番組に写ってた以外にも、きれいな街並みはあちこちにありました。
街のところどころにブドウが植えられていて、ちょうどそれが実ってたんです。(マイセン地方はワイナリーでも有名だとか)
坂や階段の多い街で、それが街に独特の色どりを添えています。
広場の教会にはマイセン磁器のカリヨンがあり、かわいらしい音色を響かせていました。
マイセンの博物館の美しい磁器も素晴らしかったですが、またいつか、今度は街歩きだけで滞在したいなと思いました。

   
絡んだ蔓にブドウが実ってました   傾斜のある広場、奥がマイセンのカリヨンの教会        そこそこに美しい町並みがあります

さて、次は最後の観光地、水郷の街エアフルトです。


7/28 バロックの都ドレスデン、今も工事中…??

さて、今回の旅のハイライト?の壮麗なるバロックの都、ドレスデンでございます。
ところが…街の中心部が、ほとんどすべて工事中…!!
どこの宮殿も博物館もちゃんと営業はしているのですが、外観が何とも情けない状態…
第二次大戦で完全に破壊され、長い再建工事を経たことも、歴史的建造物が定期的なメンテナンスが必要なのもわかります。
ヨーロッパで街の一部が修復中なんてデフォルトで、もう慣れていて何とも思いませんが、なぜ街全体を一度に…???
旅行の準備中には全然そんな情報なかったんですよね。すごいショック!!

 
とっても工事現場なドレスデン市内、どこもかしこもこんな感じでした・涙

でも、せっかく来たのですから、気を取り直して、あちこち観光しましたよ。
写真も、できるだけフレームに工事を入れないようにがんばって撮りましたが、なかなか思うような構図にはなりません…・涙
ドレスデン観光では、美観地域の景観が重要ポイントなのになあ…
とりあえず撮りました観光写真、微妙に工事の囲いが写りこんでいるのはご了承ください。
この壮麗な都市を建設したのは、18世紀初頭に選帝侯となったアウグスト強王。市内のあちこちに彼の肖像画あります。
錬金術師に命じて、マイセン陶器を作らせたのも彼です。

   
レジデンツ宮殿                   三位一体大聖堂                   ツヴィンガー宮殿のお庭

   
       エルベ川の橋から見た旧市街のシルエット          ブリュールのテラスから見た新市街  陶板画「君主の行進」と観光馬車(右から2人目がアウグスト強王)

まずはレジデンツ宮殿、長くザクセン選帝侯の居城だったそうですが、今は博物館。
宝飾品、インテリア、豪華な武具馬具、衣装など、選帝侯たちの収集したお宝が展示されています。
特にバロックの宝飾品、宝石、バロック真珠、象牙、ガラスなどを組み合わせたアクセサリーやインテリアは必見です。
衣装も16〜17世紀の貴重なものがたくさん保管されています。古い衣装がこんなにそろっているのを見るのは初めて!!!
でも、保管のために室温が低く、17世紀の衣装オタのしろは、夢中で写真撮ってるうちに風邪ひきました…
最近新しくバロック期の宝物室が復元され、こちらは別料金、時間指定、予約制、撮影禁止で見られます。
室内の装飾は素晴らしいですが、宝物は宝飾品より宝石(カットした石)が多く、ちょっと意外。お宝に対する価値観の違いかも…
一般展示の細かい細工ものの方が、しろ的にはお気に入りです。こちらは撮影可で、よかった♪



馬の胴体とかバロック真珠なんですよ、細工細か!                    大変気に入ってしまった水晶のスプーン
マイセン磁器のアウグスト強王(この方の肖像は常にドヤ顔)       象牙細工の職人シリーズのマイセン磁器職人                    しろに風邪をひかせた17世紀の衣装の1枚

ドレスデンのもう一つのお城、ツヴィンガー宮殿はアウグスト強王が建てたお城です。
今は、絵画館、陶磁器館、数理博物館などの施設が入っています。
絵画館には、ラファエロ、レンブラント、ジョルジョーネ、ボッティチェリなどの古典絵画が並んでいます。
数理博物館には、昔の理化学機器などが展示されています。仕掛け時計、望遠鏡、航海用具、たくさんの地図や地球儀など。
アンドロイド用のガイドアプリがあって、英語の解説のほか、仕掛け時計の音楽がきけたりして、面白かったです。

   
中庭を囲んで宮殿、つまり博物館が並びます       べロットの18世紀のドレスデン風景のシリーズ      これは真空実験のためのポンプだそうです

陶磁器館では、アウグスト強王が集めた東洋の陶磁器と、彼が作らせたマイセン磁器のコレクションが見られます。
陶磁器好きのアウグスト強王。プロイセン王の中国陶磁器コレクションと自国の竜騎兵を交換したというのは有名な逸話ですよね。
だんだん大きな磁器が焼けるようになると、磁器の動物園を作ろうとしたとか。
マイセン磁器のカップやお皿のほか、大きな磁器のオブジェや、サイ、シカ、ライオン、イノシシなどの像が並んでいます。
私のお気に入りは、磁器の小鳥のシリーズ。壁に小鳥のオブジェが作りつけられ、ちゃんと種類も記載されていました。

   
磁器の大型オブジェ、上の騎馬像はアウグスト強王の息子    このお皿、かわいいなあ      こんな感じの小鳥が壁一面に並んでます

東西ドイツ統一後、やっと復元されたことで有名な聖母教会。今回、はじめてちゃんとした教会コンサートを聴けました。
音楽ホールとしていろんなコンサートをやってるみたいで、私の聞いたのはレーゲンスブルクの聖歌隊の合唱とオルガンの演目。
教会コンサートは大好きで、旅行のたびに機会があれば聞きにいっています。
観光客向けなのでチケットもそんなに高くないし、石造りの教会に響く音が素晴らしくて、一度聞いてはまってしまったのです。
聖母教会は内部がそんなに広くなく、形もシンプルなのですが、これが合唱にぴったりで、声がまとまってすーっと上に上がってくる感じ。
まさに教会らしい、天上に向かう響きのような、そんなコンサートでした。

 
聖母教会とマルティンルター像          教会内部            華やかなパイプオルガン                     コンサート風景

ドレスデンにも有名なカフェがいくつもあります。まずはプフンズモルケライ、世界一美しい乳製品のお店として有名です。
こちらはエルベ川を渡った新市街側にあるのですが、工事のおかげでトラムのルートが変更になってて、行き帰りちょっと大変でした。
有名なお店なので観光客でいっぱい。内部は撮影禁止なので、絵葉書とパンフレットを購入。
チーズは無理としてもチョコレートくらい欲しかったのですが、日本の暑さを考えあきらめました。
かわりに、2階のカフェでドレスデンのチーズケーキ、アイアシェッケとミルクをいただきました。

   
お店の前の観光客       撮影禁止なので、例によってお店のサイトの写真を…          アイアシェッケとミルク

お次はアウグスト強王の愛人のお屋敷を利用したカフェ、コーゼルパレー。
外観もですが、内装やインテリアがとってもエレガント♪
ところが、お客さんはみんなテラス席に座っていて、建物の中は誰もいません。一瞬、立ち入り禁止かと思っちゃった。
ヨーロッパの方はテラスで夏の日差しを楽しみ、しろは室内で一人インテリア観賞しながら、お茶をいただきました。
こちらは、クッキーなどのお菓子も販売されてました。どれもおいしそうで、パッケージもかわいかったです。

   
    お屋敷の門の中がテラス席、奥の建物も全部カフェです     エレガントなお部屋を一人占め♪    この三角ケーキ絶品でしたよ!お皿も素敵です♪

お次は、マイセン磁器で有名な、ドレスデン近郊の、マイセンです。


7/24 しろのお買いもの天国、文化都市ライプツィヒ

リューベックから高速鉄道で東南へ移動、旧東ドイツの文化都市ライプツィヒです。
ここは東独の民主化運動の起点になったことでも有名のようです。
まずは活動家さんたちが集まっていたという聖ニコライ教会。
重厚な石造りの外観とは対照的な明るい内部。柱はイエスのベツレヘム入城を迎えたシュロを現しているのだとか。
小さい博物館が併設されていますが、内容は宗教ではなく、民主化運動の歴史。
当時をテレビニュースで見ていた世代としては懐かしかったのですが、英語表記がなくて、ちょっと悲しかった。
ドイツ語圏以外の人にも、興味深い内容だと思うんですけどねえ…。

   
          どっしりした存在感の教会           シュロを模した柱のグリーンがきいてますね  なんだか懐かしい80年代の民主化運動

広場の真ん中の旧市庁舎は修繕工事中。…足場に同じ絵柄の幕がかぶせてありましたので、その画像をお楽しみください…
中の歴史博物館は開いてました。一階は往時の大ホール。近世までの歴史展示がありました。
ホールの真ん中にある大きなジオラマは、1822年に作られたオリジナルとのこと。保護のため照明が暗くて写真が…
二階は近代から現代までの歴史展示でしたが、全体として見るもの多すぎて、見きれない感じ。

   
実物の外観もこの画像の通りと思われます             豪壮な広いホール                  1820年頃のライプツィヒとのこと

ライプツィヒはバッハが長年暮らした街で、当時住んだ建物の隣のお屋敷が博物館になっています。
ヘッドホンがあちこちに設置されて、バッハの音楽がいろいろ聞けるし
古楽器の演奏が流れていて、各楽器のボタンを押すと、その音が強調されて聞こえたり
バッハの暮らしていた教会付属の学校の建物の模型とか、古楽器の展示とか、音楽好きな方におすすめの展示です。
バッハが音楽監督を務めた、隣のトーマス教会の前に、バッハの像が立っています。

     
広場に面したバッハ博物館          古楽器の展示           バロック期のバイオリニスト      トーマス教会の前のバッハ先生

隣のトーマス教会、これもどっしりした外観です。(写真だとニコライ教会とよく似てて、間違えそうなんです。)
ステンドグラスにはバッハ先生や、メンデルスゾーンなど、この街ゆかりの人物像が並んでいます。
ここでもちょうどオルガンの練習されてました。ラッキー♪
オルガンもいいですが、トーマス教会の合唱団は有名なんですよね。コンサート聴けなくて残念!

     
バッハ先生ゆかりのトーマス教会       ステンドグラスもバッハ先生(肖像画、判別できますか?)      パイプオルガンとオルガン奏者

ライプツィヒは近世、近代に発展した街。当時を偲ぶ豪華な街並みに、パサージュといわれるアーケード街が通っています。
いちばん有名なメドラーパサージュの地下に、ゲーテ御用達のレストランアウアーバッハスケラーがあります。
私が行ったのは、同じ経営でパサージュの中にあるカフェメ・フィストバー。近くに有名なファウストと悪魔の像があります。
カフェ一押しのメフィストトルテとカプチーノをいただきました。おいしかった♪

     
豪華なパサージュ   有名なファウスト像の前でガイドの解説を聞く団体さん   夜6時過ぎで、すでにバーモードでした    でもちゃんとお茶できましたよ

ドイツでちょっと意外だったのが、古本屋さんが多いこと。特にライプツィヒにはたくさんありました。
よく売られていたのが、ライプツィヒで100年の歴史を持つInsel Bucherei
私も初めて聞いたのでよく知らないのですが、文庫のような新書のようなハードカバーの学術文庫みたいなシリーズ。
いろんな柄の紙表紙がかわいいのです。内容は、文学、絵画、詩歌、歴史、自然科学、音楽など、多岐にわたってます。
文字ばっかり(それも古いのは全部髭文字)のは読めませんので、ボタニカルアートや歴史の図版の多いものを買ってきました。
画像で開いてあるのは、マリア・ジビラ・メーリアンの作品集。戦前のもので、昔風の印刷が味わい深いです。
いちばん右の表紙のきれいなのは復刻版です。復刻のほか、まだ新刊も出ているそうですよ。
古本屋文化が息づいているとは、さすが文化都市、ライプツィヒ。

   
                こんな感じの古本屋さんがあちこちにありました                     博物学系の他は、中世オタ的なものを購入…

ライプツィヒでは他にもいろいろお買い物しました。
コンサートがきけなかったトーマス教会の合唱団の、クリスマスソングのCD。東独時代の録音のものにしてみました。
それから、お友達に頼まれていたクロモスシール、ドイツ語でGlanzbilderの復刻版も入手できました。
最近ドイツでも人気で、昔の柄が復刻されているそうです。
他にも、昔の本などから切り出した印刷物を額装用に売っているお店があって
ちょっと欲しいのがあったんですが、荷物に入らなくてあきらめました…。

でも、見つからなかったものもありまして、ドイツ製のビーズ。
中心街をちょっと外れた若者文化の通りにビーズショップがあると聞いていってみたのですが
並んでいたのは、日本でよく見る中国や東南アジア産のビーズがほとんど。
店長さんに、メイドインジャーマニーのビーズはありますか?と聞いたら、きっぱり「No!」と。
日本ではけっこう人気と聞いてたのですが、国外と国内で売っている商品て違うんですよね〜、よくあることです。

 
品ぞろえはとってもデジャヴな感じでしたが、赤い壁とかアンティークっぽい棚とか、一緒に並んだアジア雑貨とか、ちょっとおもしろいです

さて、次は空爆から立ち直ったバロック都市、ドレスデンです。


7/23 北の港町、リューベック

今回の滞在地で、一番北にあるのがリューベック。
北の港町ということで、前回行ったオランダや、その前のポーランドのグダンスクと、雰囲気がよく似ています。
建物のファサードの煉瓦の組み合わせの装飾が、同系色で統一感があり、渋い彫刻みたいでしろ好みなんですよね。
まずは東山魁夷先生も描いていらっしゃるホルステン門。昔の市の正門です。
地盤が悪いのに壁を厚く作りすぎて傾いちゃったそうですが、形がどっしりしてるので、全然気にならない安定感。
「内に団結、外に平和を」のラテン語の標語が有名ですよね。中は歴史博物館になっています。

   
頼りになりそうな城門です              内に団結、外に平和を              歴史博物館の帆船模型

リューベックはハンザ同盟の盟主、中心部には豪華な市庁舎や教会が並んでいます。
でも、ブレーメンほどは巨大でないので、しろ的には逆にほっとするかも。
ここの市庁舎は、広場を囲むような不思議な形をしていて、どこまでが市庁舎なのかちょっと謎。
中はツアーで見られます。とても詳しくてお話の上手そうなガイドさんでしたが、ドイツ語だけで残念でした。

       
通り側から見た市庁舎   こちらが広場側、港町で風が強いので丸穴のあいたデザインです   お隣の聖マリア教会

リューベックには5つの教会があり、そこに7つの塔があるので、「7塔の街」とも称されるそうです。
5つの教会は一応全部回りましたし、開いているところは入ってみました。
もう、教会としては使われてなさそうなところもありましたが、どれも美しい建築です。
この他に、博物館になっている修道院もあり、これも立派な建物でした。
ホテルの一番近くの聖ヤコブ教会では、ちょうどオルガンの練習をされていて、ちゃっかり聞かせていただきました。
今回、いろんな町の教会を見たけど、なかなかコンサートの日付に当たらなかったので、思わぬ幸運に感謝♪

      
このとんがり屋根はホテルの窓からよく見えました   この教会にはオルガンが2つあり、練習されていたのは小さい方(右)です

聖ヤコブ教会の近くに、貧しい老人のための、中世の福祉施設、聖霊養老院があります。
一部工事中だったのですが、並んだ個室の一つが見られました。
ほんとはお庭もきれいらしいのですが、工事中でちゃんと見られず残念…

     
  もともとは病院だったそうです             立派なホール           ステンドグラスも豪華です       小さな個室が並んでました

豊かなリューベックでは、商人たちが福祉施設として未亡人向けの集合住宅を建てました。
ホーフといって、小道の奥に中庭があって、周りに小さな部屋が並んでいます。
今も改修されて使われているのですが、それがあまりかわいくて観光スポットになっています。
中庭にきれいな木があって、かわいいおうちが並んでました。緑が多く、鳥がいっぱい。
一軒の家の扉の近くに絡んだ蔓植物に、鳥が巣をかけていて、50cmまで寄っても逃げないんです!
多分、卵を温めているのでしょう。驚き!!

   
中庭の真ん中の木           かわいいおうちが並んでいます         巣の中に鳥がいるのわかりますか?

豊かなリュー リューベックでは、この他に商人が使用人のためにお屋敷の奥に建てた長屋があり、ガングと呼ばれています。
お屋敷の脇に小さい門があって、その奥の小道に沿って小さい家が並んでいるのですが
これもきれいに改修されていて、今では人気の住宅なのだとか。
小道自体は公道で、通りに小さい門を見つけるたびにのぞいてみましたが、確かにかわいくて、人気なのも納得でした。

リューベック名物といえば、マジパン。
いちばん有名なのがニーダーエッガーというお菓子屋さんで、市内に複数の店舗があります。
市庁舎近くの本店には、マジパン博物館があって、古いマジパンの型やマジパンで作った人形などが展示されています。
マジパンだけを食べるのはちょっと重たいかなと思うのですが、一部マジパンを使ったニーダーエッガーのケーキは絶品です。
滞在中、何度か食べに出かけました。ショップもカフェも大人気で、いつもにぎわってます。


ニーダーエッガーのショップです  マジパンの歴史を現す等身大マジパン人形           古いマジパンの型                 マジパンを挟んだ絶品ケーキ

さて、北ドイツはこれでおしまい。次は東に移動して、バッハの街、ライプツィヒです。


7/22 音楽隊が目指した中世都市、ブレーメン

ブレーメンの音楽隊って、グリム童話の中でも有名ですよね。
童話のイメージで想像していたメルヘンチックでかわいいブレーメンの街…しろ的には結構予想を裏切られました。
広大なマルクト広場、それを取り囲む市庁舎、教会、その他歴史的建造物がすべて巨大。
ハンザ自由都市として、中世後期から大きな経済的発展を遂げた街であることがよくわかりました。
確かに、失業した動物たちが、あそこへ行けば何とかなると思って目指したのが、かわいい小さな町のわけないですよね。


広場に立つ巨大建築物群、商業会議所               リープフラウエン教会と市庁舎                        ブレーメン銀行

市庁舎のホールはツアーで見学できます。ホールも巨大でした。
ブレーメンの市庁舎は第二次大戦の空襲でも焼けなかったので、ドイツでは珍しくオリジナルの建築なのだそうです。
ドイツ語圏の古い市庁舎の地下は、レストランになっていることが多いのですが、ここも同様でした。

   
広いホールがいくつもあります。装飾はハンザ都市らしく帆船  地下レストラン、ラートケラーといいます   今は装飾として置かれている巨大なビール樽

マルクト広場に面して、これも大きな聖ペトリ大聖堂が立っています。
日曜日の朝、ミサをやっていて、音楽が聞こえてきたのですが、キリスト教徒でないので入れませんでした。残念。
聖堂はゴシック様式ですが、地下にロマネスクの古い礼拝堂があります。どっしりとした柱や柱頭の装飾が素敵です。
ここは無料の博物館も併設していて、古い僧服や聖堂の歴史の展示がありました。
行ったときは、中世初期のブレーメンとスカンジナビアについての特別展をやってました。
古い礼拝堂の装飾が北欧の影響を受けていることや、ブレーメンが北欧への布教の拠点になったことなど
特別展だけは英語表記もあって、とても面白かったです。

   
聖ペトリ大聖堂          ヴォールトのきれいな教会内部        地下聖堂の柱頭の装飾

もちろん、巨大歴史建造物だけがブレーメンではありません。
なにしろメルヘン街道の終着の街ですから、かわいいものだってたくさんあるんですよ。
ご存じ、音楽隊の像。…グリム童話の音楽隊は、ブレーメンには到着しなかったはずですけど、ちゃんと像はあります。
観光案内所には、4匹がマジックテープで連結するぬいぐるみや、像の形のグミなどを売ってました。
豚飼いの像は、毎朝豚飼いが市内の豚を連れて、街の大通りを抜けて市外へ連れて行っていたことに由来するのだとか。
ヴェザー川には帆船レストランが浮かび、昔城壁の堀に立っていた風車はカフェになっています。
     
実は、結構目立たない位置にいる音楽隊です   しろ的には豚飼いさんの犬がツボ   ハンザのコッゲ船にしては型が新しいような…   風車はもとは8個あったのだとか

そして、シュノーア地区。マルクト広場とは対照的な、小さな路地が入り組んだ地区です。
昔は職人街だったとのことですが、今は観光客向けのショップやカフェが並んでます。
ここのカフェでブレーマー・クラーベンというお菓子を食べました。
しろ好みのどっしり甘いケーキです。レーズンがぎっしり詰まって、シュトレンをもっとずっとしっとりさせた感じ。
他のお店でも食べたけど、ここのがおいしくて、お土産にも買ってきました。

   
ほんとはもっと入り組んでるんですが、上手く写真に撮れず…          ブレーマー・クラーベンとコーヒー

しろはNHKの旅番組「世界ふれあい街歩き」のファンでして、旅行するときは出てくるお店を訪ねてみたりします。
今回もブレーメン編に出てきたお店に寄ってみました。
シュノーア地区にある、ちょっとおたくっぽいおじさんの経営する、ペーパークラフトのお店。
放送したのが何年も前で、まだ営業してるかのな…と思ったのですが、ちゃんと開いてました。
ドイツではペーパークラフトが人気があるらしく、お土産屋さんなどでも見かけましたが
ここは専門店で、さすがの品ぞろえ。いくつか購入してしまいました。

 
     ちょっとブアイソな店主のおじさん    ウィンドウにはおじさんの力作が飾られています

次は、北の港街、リューベックです。


7/21 笛吹き男とネズミと、そして鳥の街、ハーメルン

北ドイツへ行くなら、まず行ってみたかったのがハーメルンでした。
中世ヨーロッパオタのしろの長年の愛読書、阿部 謹也先生の「ハーメルンの笛吹き男」の舞台なので。
割と有名なご本なので、ご存じの方もいらっしゃるかもですね。
ハーメルンという地方都市の子供の失踪事件が、なぜドイツ全体で語り継がれる伝説になったのか
中世の都市生活で、子供とは、ネズミとは、笛吹き男とは、どんな存在であったのかなどを、真摯に考察されている本です。
この本は70年代に書かれた古典でして、執筆当時のハーメルンは地方のひなびた小さな街だったようですが
実際に行ってみると…なんていうか、ネズミで町おこしの観光都市、という感じで、ちょっとイメージが…

まず、駅から歩いて旧市街に入ると、メインストリートに沿って「笛吹き男の家」とよばれるお屋敷があります。
笛吹き男がここに住んでたはずはないのですが…この角から折れると「舞楽禁制通り」という小道があり
伝説では子どもたちはこの道を通って行方不明になったとかで、それが由来だとと思います。

 
     笛吹き男の家、実際はドイツ料理店  隣の小道が舞楽禁制通り…今では普通の路地でした

観光シーズンの日曜日には、広場で笛吹き男の寸劇があります。(日曜日ではなくて見られなかったけど)
広場の仕掛け時計も笛吹き男、石畳の間にもネズミさん、などなど…。

     
        大通りの噴水も笛吹き男    はるか昔、NHKドイツ語講座の表紙だった仕掛け時計   敷石の間のネズミ  広場の歴史的建造物と、奥の黄色い建物は観光客向けショップモール

メインストリートには、市立博物館があり、表に笛吹き男の人形が立っています。
ここでも寸劇があり、それも金属廃材を使った人形での大変前衛なスタイルで、ちょっとびっくり。
でも、笛吹き男を売りにしていても、博物館の展示は非常にまじめなもので
ハーメルンの古代から現代までの通史について、充実した展示でした。
ただ、英語表記が少なく、撮影も禁止で、とても残念…。
ここに、失踪事件272年後に門が建設された旨の記録のある、16世紀の有名な石碑が保存されています。

                
入口に笛吹き男のマネキンが立ってるんですが、人ごみで見えません…   撮影禁止なので博物館のサイトから盗んできた画像

でも、にぎやかな表通りを奥に入ると、観光客のいない静けさに、鳥のさえずりが響く路地が続きます。
復元された木組みの民家に花が飾られ、住んでいる方々の落ち着いた生活が感じられました。
小さな街なのに、幼稚園や小さい公園があちこちにあって、とても暮らしやすそう。

     
 絡んでいるのは藤の花でした        窓辺に花の飾られた木組みの家           古い石組みの壁        名残のバラが咲いています

実際、ドイツの田舎は鳥がとても多いのです。
ハーメルンでは旧市街の外の、近世の城壁と堀の跡が緑地として残され、そこが素敵な霊園になってまして、まさに鳥類天国。
ホテルがその近くだったので、朝こっそりとバードウォッチングを…。(墓地なので、大っぴらには撮影しておりません、汗)
街の裏通りの公園や民家の庭にも、いっぱい鳥が鳴いていて、ほんとにうらやましかった…!
撮影したものをいくつか…(名前は調べてないのがほとんどで、申しわけございません)

     
        霊園の墓石の上にいました               民家の壁の上に             公園でも         これは多分Kohlmeise(シジュウカラの親せき)

ドイツのほとんどの街と同じく、ハーメルンも第二次大戦でかなり破壊され、建物のほとんどは再建されたものとか。
表通りには、ちょっと観光目的…な感じの建物もありましたが、民家はどれも美しかったです。
中世には街の入り口だった橋のふもとに、中世のボニファチウス律院の聖堂部分が残っています。
阿部先生のご本では伝説当時の街の権力者の一つとして描かれていますが、今は小さな教会になっていて
お庭にたたずむと、時の流れを感じて感慨深かったです。

      
教会のお庭から見上げた聖堂       教会の近くを流れるヴェーゼル川

次は、音楽隊がたどり着かなかった、あのブレーメンです。


7/20 ドイツ旅行

実は2年ぶりに、ヨーロッパに貧乏旅行してきました。
行先はドイツ。でも、年々貧乏旅行がきつくなってきますね〜。ほんの2週間足らずなのに、へろへろで…
おまけに帰ってきたとたんの猛暑。ドイツは夜は長袖重ね着していたくらいで、気温の差にぐったりしております。
一昨日帰ってきて、まだ荷物も片付いていない状態でして…でも、旅行記は書きますよ〜

ドイツに前にいったのは、ハンブルクの講習会ですが、観光はほとんどしていなかったので
観光旅行としては、うん十年ぶりです。…大学の卒業旅行以来。
学生時代にいったのは主に南ドイツ、今回は北ドイツと旧東ドイツの街を点々としてきました。

まずはフランクフルト。ここは北でも東でもないのですが、飛行機の発着で滞在いたしました。
ですので、大した観光もしてないんですが、一応ご紹介を…
とにかく金融都市ですから、物価が高い!トマトが1個270円なんて、貧乏ぷー作家には絶対ムリです〜
実は学生時代にも一応きたことがあります。当時も屋台のソーセージが高くて驚いた思い出が…

 
    フランクフルト中央駅         金融街の象徴、ユーロマーク

でも、マイン川沿いは緑地になってて、観光客や地元の方がのんびりされてました。
世界的金融都市の平日午前中とは、ちょっと信じられない…!
お天気がすごくよくて、お散歩には気持ちよかったです。

 
 芝生で日光浴されてる方がたくさんいました        カヌーも何艘か見ましたよ

フランクフルト観光といえば、レーマー広場ですが
前行ったときとほとんど変わっていなかった気がします。
バブル期の日本の学生の代わりに、今は中国のお嬢さんたちが楽しんでました。

 
レーマー広場の近くにある大聖堂(全景はここからしか撮れず)  レーマー広場の大道芸人さん

シュテーデル美術館、裕福なフランクフルトの実業家のコレクションから始まった美術館です。
以前豊田市の美術館で展覧会があって、フェルメールを見に行ったんですよね。
見覚えのある絵がそこそこにあって、懐かしかった。
展覧会では、呼び物のフェルメールは囲いの向こうであまり近くで見られませんでしたが
ここでは至近距離で見られますし、写真も撮り放題です♪

 
階段の上の絵は、当初からのコレクションとのこと        懐かしのフェルメール「地理学者」

次は、伝説の街、ハーメルンです。


7/2 夏休み♪

7月になって夏休みをいただきまして、早速お出かけしてまいりました。
まずは国立科学博物館へ、毎年楽しみにしている植物画コンクール入選作品展を見に。
今年もすばらしい力作がいっぱい並んでましたよ。
受賞作はポストカードとして販売されているのですが、他のものは展示会でしか見られない…と思っておりましたら
何と今回、撮影可とのことで、写真撮りまくってまいりました。
佳作や準佳作でも、一般の部(大学生以上)の方はもちろん、中高生の方もほんとにお上手な方がいらっしゃるんですよ。

受賞作はリンク先のポスターを見ていただくとして、受賞外でしろおすすめの何枚かをご紹介。
こちらはすべて一般の部。さすが、経験年数が長い方が多いので、どれも素晴らしい仕上がりです。
…ただ、どうしても展示室のライトが写りこむし、それを避けようと斜めから撮影したり…それがちょっと不満かも。
やっぱり、一般の部だけでも全部絵葉書ほしいなあ…。


写りこみとか、斜めってるとか、どうかお気になさらずに…左から、カリン、ハナミズキ、ブロッコリー、ゴボウです。

そして、一番のお気に入りは中高生部門佳作のこちら。紫陽花の咲き始めから枯れた時期までの色の変化が、実に美しいです。
高校2年生ですでに10年のキャリアだとか。う〜む…さすがですねえ。


すみません、なんか色合いがうまく出なくて…お近くの方は科博でぜひ実物をご覧くださいませ…。

大変満足し、例によって科博の中庭の薔薇園でお弁当食べて、次の展示会へ…
この薔薇園、小さいけど静かで、薔薇の時期には科博の隠れたおすすめスポットなのです。
旧館の煉瓦の壁に薔薇の色が映えて美しいのに、あまり見る方がいなくてもったいない感じ…
誰も見ないと、お手入れしていただけなくなってしまうかもしれないですし、ぜひ一度お運びくださいませ〜
(…っていって、あまり人が増えても困るかな…汗)


このちょっと趣のある煉瓦の壁も気に入ってます。

次は松涛美術館アンティークレース展
…上野からだとかなり遠いのですが、まあしろ的には、うちから行けばどこも「都心」の範囲内でして…(笑
しろがレースなぞ意外かもしれませんが、実は、若いころボビンレースを習っていたことがあるのでございます。
透明で細かい細工ものが大好きなので、名古屋から関西まで通ってたのですが、さすがに遠くて長続きはしませんでした。

展示会ではボビンレースとニードルポイントレースを中心に
16世紀から19世紀までのヨーロッパのさまざまな地域のレースが並んでいました。
マリーアントアネットのものだったかもしれないレースとか、貴重なものがたくさんありましたよ。
当然撮影禁止なので、写真はございません…。

この日は講演会もあり、服飾の専門家の先生がレースの歴史や技法などを解説してくださいました。
この先生、大学のコレクションでアンティークレースに出会い、作家さんの話を聞いて
あまりの工程の大変さにショックを受けられたそうです。
ボビンレースは、糸を編むのではなく、数百本の糸を手で1本1本を交差して、模様を織り上げていくのですが
先生曰く「3日かかって数センチしか進まないのに、3日前に組んだ箇所に間違いが見つかったら、3日かかって元の場所まで戻って
さらに3日かかって組みなおすんですよ。もうアタマおかしいですよ〜!」…だそうです。(笑

いや、私のはそんなに細かい模様じゃないですが、それでも織り間違いして、よく泣きましたよ。
実際は、組んだのをほどくと糸のよりが戻ってしまって、その始末がさらに大変だったりもしましてね〜(笑
いいなあ、ボビンレース。海外の博物館でアンティークを見たりすると、またちょっと織りたい気になっちゃうんですよ。
お道具は全部取ってありますが、まだ糸が使える状態なのかどうか…まあ、もう老眼ですし、ちょっと無理かもですね…

さて、展覧会の翌日は、御岳山に探鳥会に出かけてました。
日本野鳥の会主催で月一回開催されているのですが、山…というので、ちょっと二の足踏んでおりまして…
御岳山、高くはないですが、けっこう勾配がきつくて…上るのはまだいいのですが、下りが怖いんです。
高所恐怖症というか、急な坂道や階段を下るのが苦手でして…
でも、葉っぱの茂っている時期は絶対一人で鳥を見つけられないので、思い切って参加してみました。

ちょうど梅雨が明けたばかりで、とてもよいお天気。
ちょっと暑いくらいで、登山道の水場で水筒の水を足したりして、水分補給。
でも、ロックガーデン(渓流沿いの岩場のこと、なぜ「ガーデン」とよばれるのかしろ的には謎です)は
木陰の水の近くで、涼しくて快適でした。ヤマアジサイやギンバイソウがたくさん咲いていました。

              
渓流に差し掛かるヤマアジサイ(奥の光っているところが渓流ですが、わかります…?     ギンバイソウ

さて、肝心の夏鳥ですが、野鳥の会の方がおっしゃるには、いつもより鳥の少ない日だったみたいです。
たとえ鳥がたくさん鳴いていて、ベテランの方でも、茂った葉っぱの間の鳥を見つけるのは結構大変。
さえずりが聞こえると、みんなで登山道の端によって、梢を見上げて凝視して、鳥が出てくるのをじっと待つのです。
今日はトレッキングの団体がたくさんいらっしゃって、狭い登山道がときどき渋滞して、譲り合いながらの鳥観察。
で、じ〜っと見ていても、結局姿を現さないまま、飛んで行ったりしちゃったりして…
一応、ミソサザイ、シロハラ、ヤマバトなど、何種類かの鳥を目撃できましたよ。

見えた鳥の数は少なかったですが、それはいいのです。だって、今日はオオルリ様にお会いできたんですよ〜!
ちらっとですがスコープで見せていただけたし(自分の双眼鏡では青い点にしか見えない距離)
ぼけぼけながら、写真も撮りました!


これがオオルリ様です。すいません、ほんとです。うちのカメラの解像度では、これが精いっぱい!!だってすごく遠くなんですよ〜

尾根沿いに下を見下ろして、立ち枯れている木のてっぺんが見えれば、そこが狙い目らしいです。
朽木のてっぺんを見張り台にしていることが多く、上から見下ろすと羽根のブルーがよく見えます。
…ただ、それだととても距離が遠いんですよね。やっぱり自分では見つけられなさそう…
重たいスコープを持って一緒に登ってくださる、野鳥の会の先輩方のおかげで、美しい羽の色がはっきり見えました。
ほんとに感謝感激、ありがとうございます!!!

2日続けてお出かけしたので、ちょっと疲れましたけど、でも楽しかった〜♪
野鳥の会の探鳥会はあちこちで開催されているので、また機会を見つけて参加させていただきたいと思います。




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