☆しろの雑記帳☆


6/25 昭和記念公園と展覧会

イギリス旅行記書いてて、後回しになりましたが、6月にもちょっとだけお出かけしてきました。
まずはおなじみ昭和記念公園 。アジサイとハナショウブの見頃を見てきました。
アジサイの木は公園中にたくさんありますが、花木園の紫陽花エリアと、民家園の裏が一番きれいと思います。
葉っぱが斑入りのアジサイが1株だけあって、きれいなんだけど、これはこういう種類なのかな。突然変異とか、それとも病気?
水生庭園のハナショウブは、雨続きでしおれてて、日本庭園の方がきれいでした。
現在すでに猛暑ですが、お出かけした時点では、梅雨真っただ中の晴れ間を狙って行ってきたんですよね。


 花木園のアジサイ           斑入りの葉っぱ       カシワバアジサイ         日本庭園のハナショウブ

そして都心での展覧会。まずは文化学園服飾博物館型染 〜 日本の美
型染、大好きなんですよ。型を作って染めるという工程も面白いし、量産できるところも庶民的で好きだし、型紙もきれいだし
なにより、これはどういう型を作って、どういう順番で染めたのかなと、作品見ながら考えるのが楽しいです。
今回は、型染のいろいろな種類や製法を詳しく解説されてて、とても勉強になりました。
私、摺匹田って、防染(染めない部分に型で防染糊を置く)だと思い込んでましたが(その方が、型自体が簡単そうだから)
捺染(型で布に染料を付ける)だと初めて知りました。型を分ければいいみたいだし、その方が他の模様と工程を揃えられますね。
江戸時代の小紋から、大好きな紅型や、大正、昭和初期の凝った模様の型友禅、作家物の作品まで、様々な型染を堪能しました。
展示室外に、現代の染色作品が並べられていて、そこは撮影可です。他の画像は例によってネットで盗みました。


   紅型(明治頃)      明治期の浴衣(部分)    大正期の型友禅(部分)  昭和初期の型友禅(部分)   芹沢_介の型絵染      現代の浴衣地

もちろん、交通費節約のため、展覧会はハシゴです。お次は東京都美術館スコットランド国立美術館展
…旅行で、スコットランドを諦めたので、代わりに…というわけでもないですが…
お目当てはベラスケスの「卵を料理する老婆」。陶器や金属や網籠の質感が完璧に描き分けられ、若き天才の技量がしのばれます。
ヴェロッキオの「幼児キリストを礼拝する聖母」。若々しいマリアが印象的です。実はギルランダイオ作という説もあるとか。
ダヴィンチの師匠として有名なヴェロッキオ親方ですが、絵画は弟子との共作が多いせいか、個人的に、作風がいろいろなイメージ。
ダヴィンチも工房にいた頃の作品だし、なんだか想像がふくらみます。
ファン・ミーリスの「リュートを弾く女性」、20pちょっとの小さな絵なのに、めっちゃ細かくて、楽譜の譜面も読めるんですよ。
レンブラントの旧約聖書外典からの作品や、ランドシーアのスコットランドのジャコバイトを描いた絵も、興味深かったです。
画像はほぼウィキペディアです。


幼児期リストを礼拝する聖母/ヴェロッキオ帰属  卵を料理する老婆/ベラスケス    ベッドの中の女性/レンブラント   リュートを弾く女性/ファン・ミーリス

…長々旅行記書いてるうちにすっかり暑くなっちゃって、あらためて写真見ると、公園のアジサイを見に行った梅雨の頃が懐かしい…
皆様も、どうぞ夏バテにお気をつけてお過ごしくださいませね。


6/23 おまけです…

今回の旅行、ロンドン直行便のはずが、フランクフルト経由、それもウィーンで給油予定…とか最初は言われてたんです。
実際は給油不要で良かった…。でも、飛行機に乗ってすぐにフライトビューを見たら、予定経路がロシア上空のまま。
???と思ってたら、実際のルートはアラスカ回りでした。…私は誰、ここはどこ?っていう感じの空の旅…
で、帰りの便はロシアの南の国境ギリギリの南回りでした。…なんか、地球を斜めに一周した感じですね。
行きと帰りが違うのは、上空の風向きとかの影響なのでしょうか…??なんか航路にも航空会社さんの苦労がしのばれます…

BBCが物価高騰をずっと報道してたので、かなり覚悟して行きましたが、個人的印象では、フランクフルトの方が物価高かった感じ…
旅行中、ほぼずっと、セインズベリーズというスーパーにお世話になってましたが
トマト6個入り85ペンス、ドーナツ5個入り1.1ポンドなど…(1ポンドは旅行当時では手数料込みで170円くらいでした。)
うちの近所では同じようなトマトパック、280円くらいはしますので、少なくとも基礎食品はそんなに高くはないのでは?
ただ、外食は高いです。ファストフード的なものが単品でも1000円くらい、レストランの持ち帰りだと2000円近くします。
プラゴミ削減のためか、ドイツなんかではとっても高いペットボトル飲料も、イギリスではそれほどではなかった感じ。
(…ドイツでは野菜は量り売りが多いけど、イギリスではビニールパックもけっこうあって、環境意識もそこそこ…でしょうか)

でも、市内交通が高いのは、ヨーロッパ主要国と同じと思います。ICカードをいくらチャージしても、どんどん空になっていく…
ICカードだと、地下鉄初乗り2.5ポンドで、距離や時間でどんどん加算される感じ。(実は値段の仕組みがよくわかってないです…)
現金でチケット買うとこの倍近くするようですが、ICカードも、カードによってデポジットが返金されないですし…
鉄道は正規料金だとめっちゃ高いです。が、特定の便を前売りで買うと半分とか1/3くらいになります。(これも仕組みが不明…)
日程変更は難しいですが、時間に自由が利く場合なら、そんなに高いという気はしませんでした。前売りだと席も予約できますし。
(…でも、イギリスの鉄道…現在、巨大ストライキ中ですね…旅行中に当たらなくて、本当に良かった…ドキドキ)


ロシア上空の予定航路(フライトビュー部分) 列車から見た風景、なだらかな牧草地と羊 こんな新しい列車ばかりではなかったですが… よくわからないロンドンの観光バス

旅行中、ネットはWi-Fiだけだったのですが、Googleのオフラインマップというのを初めて使ってみました。
私、GPSはオフラインでも動くということを、初めて知りました!オフラインマップと合わせて使うと、すごく便利!
むか〜し、紙の地図しかなかった頃、ロンドンに2泊くらいしたんですが、半分くらいの時間、道に迷ってた印象です。
初めての外国だったし、まっすぐな道や直角の交差点が全くない街で、地下鉄の駅を出るたび方向を見失って…(涙
ほんとに、便利な世の中になりましたね…

あと、役に立ったのが、アジシオ。…イギリス料理って味がないからと、友人に勧められました
確かに、出来合いのサンドイッチとか、塩味と旨味が全くなく、アジシオふったら、普通の味に蘇りました。
イギリス風の朝食というのを一度だけ食べてみましたが、味がないわけではないですが…私はドイツの朝食が一番好きかな♪
もちろん、おいしいものもいろいろいただきました。ヨークのお肉屋さんで買ったキッシュとか、ライのパンとか。
しかし、旅行中一番お気に入りだったのは、セインズベリーズのゲノアケーキ!(305gで1.9ポンド。お安い!)
ブランデーケーキのお酒を減らして、ドライフルーツを3倍詰め込んだ感じです。すごく気に入って、お土産にも買ってきました。

    
ホテルのイギリス風朝食(確か9ポンド) しろの昼ご飯ドーナツ5個入り1.1ポンド、セインズベリーズさんありがとう! ゲノアケーキ(お店のサイトの画像)

思えば、コロナとプーチンと、それから女王様のお祭と、空港パンクと鉄道ストの、間をすり抜けてでかけた
ラッキーでスリリングな旅行でした。(1週間後ろにずれてたら、帰れなかったかも…汗)
この先の状況はまたわかりませんが、やっぱり海外旅行大好きなので、できればまた行きたいと思ってます。
やたらと長い旅行記にお付き合いいただき、大変ありがとうございました。


6/22 オックスフォード

オックスフォードはロンドンから列車で1時間弱。ご存じ、有名な大学街です。
実は、イギリス旅行の計画を立てたときは、ケンブリッジを考えてたのですが、コロナの影響でカレッジ見学がほぼお休み。
オックスフォードは見学できる大学がいくつかあるのでこちらにしたのですが、結果的には大正解でした。

カレッジ見学は有料、無料、予約要などいろいろですが、私が見たのはクライストチャーチカレッジとベリオールカレッジ。
クライストチャーチはオックスフォードで一番大きなカレッジだそうで、予約要、料金もちょっとお高いのです。
広い真四角な中庭は、ガイドブックでもおなじみ。礼拝堂は街の大聖堂でもあるそうで、さすがに風格があります。
ステンドグラスは新旧いろいろあるように見えましたが、古い割れたガラスを繋いで模様にしてる部分があるような…
だとしたらいつ頃割れて、いつ頃修復されたのか、文化財をリメイクするのはありなのかとか、好奇心でアタマがいっぱいに…
どなたかお詳しい方、ご教授いただけましたら幸いです。

クライストチャーチカレッジのホールが閉館中で、代わりにベリオールカレッジというところに行きました。
オックスフォードで最古のカレッジの一つだそうで、こじんまりしてますが、建築も古風で雰囲気があり
お庭もきれいで、居心地の良いカレッジでした。ホールも立派で厳粛な雰囲気ですが
カレッジのホールって、日本の学校の講堂と違って、テーブルが並んでてみんなでディナー食べるんですね。異文化だなあ。


クライストチャーチカレッジの広い中庭     立派な礼拝堂    割れたガラスを繋いだように見えるのですが…  ベリオールカレッジのお庭      カレッジホール

オックスフォード自然史博物館は、19世紀半ばにできた博物館ですが、博物学の時代と現代がうまく組み合わされた素敵な場所です。
まず建築が素晴らしかったです。鉄製の柱が支えるガラス屋根は、当時の最先端だったのでしょう。周囲の壁は石造りで
鉄柱にも石にも、さまざまな植物が彫刻され、ところどころに動物も隠れてます。模様を探して歩くのがすごく楽しいです。
天井からクジラの骨格が並んで吊るされ、まるで飛んでるみたい。鉄柱のデザインが、骨格標本とすごく合ってます。
壁際には科学の偉人の像が並んでます。画像はニュートン像ですが、足元の化石は隣のダーウィン像の下に置く方が合ってるかも。

古い建築や博物学の時代を思わせる展示品の間に、最新の解説展示や、科学界のジェンダー平等についての展示が組み込まれ
周りで子供たちがワークショップに参加してました。ほぼ1つのホールでできた小さい博物館ならではの工夫だなあと思いました。
上階は回廊になり、そこにも展示品と、カフェスペースなども作られてます。下の階に小さいけど楽しいショップもあります。


ガラス天井と恐竜骨格   鉄の柱の間を飛ぶクジラ               美しい植物模様の建築装飾             古生物化石を見つめるニュートン先生

大学には植物園もあります。17世紀から続く、由緒ある施設です。
分類学に基づいて区分けされた薬草園や、ロックガーデン、季節の花壇、池や温室、芝生、薔薇園もありました。
温室に朝顔や紫陽花が咲いてました。紫陽花を温室で咲かせるって、日本ではあまりないですが、イギリスでは普通なのかな。
この辺りの川ではボート遊びが盛んみたいですが、植物園の脇を小川が流れていて、流れていくボートが間近に見られます。


植物園から大学が見えます    美しい草花       薔薇の蔓と花壇       薬草園の芍薬        温室の紫陽花       小川で船遊びする人たち

オックスフォードは田園やその間の水路に囲まれた街で、街のすぐ南にも牧場があります。
クライストチャーチメドーといって、その南はテムズ川です。川辺や牧場の間にお散歩道が巡ってます。
緑の牧草地に牛がいたり、川ではボートレースが行われてました。脇のお散歩道に入ると、まるでイギリスの風景画のような景色。
夕方のんびりお散歩するには、ぴったりの場所です。

最後に、街の名所をちょっとだけ…有名な丸い図書館ラドクリフカメラと、溜息橋。
溜息橋って何なのかと思ったら、単にヴェネツィアの牢獄にかかる同じ名前の橋と、形が似ているからだそうです。
でも、オックスフォードって、全体が古い美しい建築が集まってできているような街で、どこを見てもきれいです。
周りの自然も美しく、こんな場所で研究できる学者さんや学生さんたちがうらやましい。さすが世界の学術都市ですね。


クライストチャーチメドー  テムズ川でボートレースやってました 茂みの奥は緑濃い小川です   丸い形が印象的なラドクリフカメラ    これも形が美しい溜息橋

次回はおまけです。
最後に個人的に感じたイギリスの状況や、旅行で便利だったものなどを、ちょっとだけご紹介させていただきます。


6/20 ヨーク

ヨークはイングランド北部にある古い街で、ロンドンから列車で2時間ちょっとです。
(…スコットランドにも行きたかったのですが、戦況が悪化して帰らないといけなくなったらと思って、これより北は止めました。)

ヨークに行きたかったのは、城壁がある街だから。城壁の残ってる街って、イギリスには少ないみたいなんですよね。
ヨークの城壁はほぼ旧市街を一周して、登り口がいくつかあり、上を歩けます。無料で、開場時間は朝から陽が落ちるまで。
ただ…画像にありますように、低い壁に申し訳のような狭間がついてる状態で、これで街を守れたのかなあ…という感じ。
帰ってきて調べたところ、やはりビクトリア時代に、お散歩道として整備されてしまってるとか…うーん、ちょっと残念。
でも、壁や砦の位置は変わってないみたい。砦は縮小されたり、住居にされたものもあったようで、今はカフェになってるところも。
ドイツで見た城壁は、いかにも防衛施設っていう感じで、緊張感がありましたが、街を眺めながら、のんびりお散歩しました。
全長3.4qですが、他に地上を歩く部分もそれなりにありますので、2日に分けて制覇いたしました。

街の南にクリフォードタワーという砦があります。ウィリアム征服王が作らせた塔がもとで、その後は英国王のお城の一部でした。
市街地の中の、人工の築山の上に建っていて、かなり唐突な眺め。これが有名なイギリスのモットアンドベイリーのモットかあ…
街の南東の城壁は、街というより、この塔を含むお城部分を囲む城壁だったようです。
この塔、内部は空で、石組の中に昔の礼拝堂やトイレの跡が残ってます。上に上がるとヨークの街が見渡せます。


街の北西側から大聖堂を望む  宿の近くのブーサム門    大聖堂裏手   砦部分の残るウォルムゲート門    街の南東側    モットの上のクリフォードタワー

ヨーク大聖堂は英国ゴシック様式の美しい古い教会です。近くで見てもきれいですが、城壁の上からの眺めがお気に入りです。
古いステンドグラスも有名らしいのですが、宗教改革で壊されたりしてるそうで、よく見るとあまり保存状態が…
ひび割れや、欠けた部分を新しいガラスで補って絵にギャップが生じたりしてて、双眼鏡で見るとちょっと不思議な感じ。
ステンドグラスの修復プロジェクトについての展示がありました。敷地内には石材修復の工房があって、見学できます。
大聖堂周辺は公園のようになっていて、大聖堂を眺めながら、お弁当食べたりしてました。

マーチャントホールは中世の貿易商人組合の建物。木造の広い美しいホールの他、礼拝所や会議室が残っています。
でも、ヨークって商人組合のホールはあるのに、市庁舎に当たるものが調べても出てこない…。街の自治組織はなかったのかなあ。
ヨークシャーは中世から羊毛産業が盛んで、主な輸出品で、だから内陸の街のヨークが貿易商人の拠点だった…んでしょうね。
交易は川を通じて行ってたそうですが、今のヨークの街に港や荷上場的な場所はなさそうで、当時の様子もあまり想像ができず…
中世イングランドの都市について調べようとしても、適切な本が見つからなくて…お詳しい方、ぜひご教授お願いいたします!

 
ヨーク大聖堂  そんなに割れてないステンドグラス  石工さんには女性も多いです マーチャントホール入り口(左側のお店はおいしいキッシュ屋さん) 広い木造ホール

クリフォードタワーの近くのキャッスルミュージアムという歴史博物館に行ってみました。
砦の近くのキャッスルミュージアムというから、ヨークの中世の歴史がわかるかなと思ったら、展示は近世以降。
タワーの周辺はかつては王様のお城の領域で、だからキャッスルミュージアムらしいです…
昔の部屋が年代ごとに再現されてたり、19世紀ヨークの街角を丸ごと再現した展示なんて、お店や学校の中に入れて、すごかったです。
展示はおもしろかったですが、ロンドンの博物館といい…イギリス人、あまり中世史に興味がないのかなあ。ちょっと不思議。

シャンブルズ通りは中世の肉屋街だったとかで、今でも古い町並みが残っています。
この他にも街を歩くと古い建物や昔の路地がそこかしこにあって、歴史を感じさせられます。
かつては貿易に使われていたという川には、今ではレジャー用と思われるナロウボートが浮かんでました。

大聖堂近くに素敵な古本屋さんを見つけました。間口の狭い建物の4階建ての、部屋と階段の床まで本がぎっしり積み上がってます。
普通の古本や新古本の他、昔の絵本、貴重な古書や、図鑑や絵本のイラスト部分を額装用に仕立てたものなども。
19世紀の図鑑のカナダガンと、アーサー・ラッカムのピーターパンのイラストと、ラッカムのマザーグースの復刻版絵本を購入。
ラッカムは大好きで、日本で出た復刻本を昔集めてたんですよね。懐かし〜。どちらも持ってない本で、ちょうどよかったです。


キャッスルミュージアムの17世紀の部屋 19世紀の街にタイムスリップ  シャンブルズ通り   川端の散歩道     古本屋さんのショーウィンドウ   古い本がぎっしり

ヨークで一番お気に入りだったのは、古い修道院の跡地のお庭です。(お庭の一角に博物館が建ってますが、こちらは入ってません。)
ヘンリー8世の宗教改革では、修道院がいくつも取り潰されて、その遺跡があちこちにあると聞いてたのですが、その一つですね。
ゴシックの教会の遺跡ってすごくきれいで、壁が薄いので建ってるのが不思議な感じで、そのせいか、なんとなく神秘的な印象。
目立つのはこの壁ですが、他にも基礎部分や柱が何本か残っていて、教会の形が大体わかります。
修道院の建物の遺跡が他にもあちこちにあって、芝生や花壇やベンチが作られて、全体としてとても素敵な公園になってます。
滞在中ときどき訪れてくつろいでました。また行ってみたい、お勧めの場所です。


     ゴシックの薄い壁の遺跡     まるで門のように残った尖塔アーチ  基礎部分    公園の入り口も遺跡のアーチ  遺跡と木立の側のベンチ

次はオックスフォード。長々とお付き合いいただきました。いよいよ最後の街です。


6/18 ライ

ロンドン以外の滞在地を、滞在順にご紹介いたします。まずはライ。ロンドンから列車で1時間ほどの古い小さな街です。
中世の頃は、重要な貿易港だったとか。自治権もある、しろの大好きな城壁都市でした。(今は城壁はないですが。)
昔は街が半島のように海に張り出してたのが、川が土砂を運んで湿地帯が広がり、海から遠くなってしまい
今は牧草地と湿地に囲まれた高台にある、石畳と古い家並みが美しい、観光の町です。
ロンドンで数日ミュージアム連続ハシゴしたあとででかけたので、緑の濃い田舎町が、すごく新鮮で心が和みました。

有名なのは中世からある宿屋、マーメイドイン。ライがメジャーな貿易都市の地位を失った頃は、密輸業者の巣窟だったとか。
現在は文化財指定の高級ホテル兼レストランで、旅番組の定番ですね。宿泊、飲食の他、ときどきツアーで中を見られるそうです。
町の南側には、こんな感じの美しい木組みの家がたくさん残っています。

 
中世から続くホテルマーメイドイン マーメイドインの向かい側の家の窓      ライに残る古い家並み                       窓辺の薔薇

昔は海を見張っていたはずの砦、イプラタワーは牢獄としても使われていたそうです。現在は博物館。
昔の地図や中世の武器などが展示されてますが、テラスからの眺めが素晴らしいです。湿地に広がる川や牧草地の羊が見渡せます。
町の近くの川にはレジャーボートの停泊地があちこちにあります。海に近いので、潮の干満で水位が変わっておもしろいです。
ライヘリテージセンターには、まだ城壁が残っていた頃の町のジオラマが展示されてます。


イプラタワー   お城の中庭、四角い塔は女性用の牢獄  お城のテラスからの眺め      川に浮かぶボート     ヘリテージセンターのジオラマ

町の隅に城門が1つだけ残ってます。なかなか風格があって、往時の繁栄をしのばせます。
教会は小さいですが、とても美しく、塔の時計はイギリス最古のものの一つとか。ステンドグラスは新しいものが多いのですが
1つバーンジョーンズデザインの有名なものがあるためか、全体的にラファエロ前派っぽいデザインが多い感じ。
敷地内は古い墓石がたくさん並んでますが、木立やベンチもあって、墓場公園みたいでした。これってイギリスでは普通なのかな。
木陰の下の古い石の間をお散歩するのはいい感じなのですが、日本人的には不思議な気がしました。

 
       立派な城門                   花に囲まれた教会 ラファエロ前派っぽい天使(バーンジョーンズじゃないです)墓石とベンチのある境内

町に着いたたとたん、すごくおいしそうなパン屋さんを見つけ、思わずケーキと大きなパンを買っちゃいました。
めっちゃおいしかったです!昼過ぎに同じ店を通りかかったら、すでにほぼ売り切れでした。地元の人気店なのでしょうね。
田舎だし、町にオープンテラスのカフェがあることを、旅番組で確認済みだったので、そちらのお店に行ってみました。
うれしい〜、やっとお店でお茶できる♪パンプディングとミルクティ。温かいプディングが甘くておいしかったです。

ライはアンティーク雑貨のお店でも有名です。でも、ライで買ったこのカップ、正式な用途がわからない…
お店の人は、色々使えますよ〜、なんて言ってましたが、うちに帰ってネットで調べても、こんな洋食器見つからないです。
う〜ん、もしかしたらソーサー付きで、昔、取っ手のないカップのお茶をソーサーで受けて飲んでた頃をまねたものかしら…?
柄はセットの1個ぽいような…気になって購入してしまいましたが、ご存じの方いらっしゃいましたら、ぜひご教授くださいませ。


何もかもおいしそうなパン屋さん でっかくて、外は香ばしく中はふかふか   旅番組で見たお店  クリーム付きパンプディングとお茶  リンゴとお花の謎のカップ

お次は、ロンドン近郊を離れて、ヨークの街です。ここも城壁都市ですね♪
よろしければ、またお付き合いくださいませ。


6/15 ロンドンその他観光

ミュージアム、公園系以外で出かけたところをまとめてご紹介。(…といっても、そんなにないのですが…)
蚤の市。しろは骨董市好きなのですが、ロンドンの本格的なアンティークマーケットは敷居が高いので
カムデンパッセージマーケットへ。(カムデンロックマーケットの方が有名ですが、こちらは若者向きで、場所も違います。)
小さな骨董店の集まった路地と、その中に設営されてるテント、その周辺にお店が出る、こじんまりとしたマーケットです。

8時にはお店が揃うとサイトにあったので、張り切ってでかけましたら、閑散としてまして…現在、10時頃スタートになってる模様。
やっぱりコロナでしょうね、大きなマーケットではないし、観光客もそこそこという感じ。
お店の方も、昔からやってる年配の方が多い感じで、お茶飲んでおしゃべりしたり、みなさんのんびりしてます。
古い金属製のスタンプばかり並べてるお店や、布製品、レース、古本やカードのお店。ほんとにガラクタ市みたいなお店も…
小さな店舗に山のように陶磁器を積み上げてるお店があって、やっぱりイギリスは地震がないんだなあと思っちゃいましたが
(実際、たまに割れてるモノも…)そのお店が、NHKのふれあい街歩き・ロンドンイズリントン編に出てきてて、後で驚きました。

画像は、そのお店で購入したデミタスカップ。お花はクリスマスローズかな…淡い繊細な色合いがお気に入り。
それからヴィクトリアン風のカード。ヴィクトリア時代に流行った仕掛けカードの復刻版と思います。(本物ならもっと高いはず)
でも、こういう折り畳み式のカード初めて見ました。簡単な工夫で、ちょっとしゃれてますよね。
あと、レースをいろいろ買いましたが…これも、お店の人は手編みとかとか言ってたけど、この値段でそんなはずはないです。
でも、そんなに高くはなかったし、可愛いのでいろいろ買っちゃいました。


店内に積み上がった商品を外に並べ直して、そして開店   レース屋さん     デミタスカップ      ヴィクトリアン風カード・折りたたんだところと開いたところ

そしてこちらはトラファルガー広場から、ウェストミンスター界隈をお散歩したときの写真です。
まずはトラファルガー広場。あまりに高すぎてよく見えないネルソン提督像と噴水です。ここはものすごく賑わってました。
広場からウェストミンスター方向に歩くと、途中にダウニング街がありまして、首相官邸ってどんなとこかと、ちょっと覗きに…
大通りからダウニング街に入るところに検問所があり、警官が何人も…住んでる人が出入りすると扉が開くので、そのすきに撮影。
住人は顔パスのようでしたが、お友達を呼ぶときや、親戚が泊まりにきたときはどうするのかなあ。住んでる人大変そう。
ウェストミンスター界隈も賑わってました。ビッグベンは、補修が終わって、昔の色にお色直しされたばかりで、ピカピカですね。

ウェストミンスター寺院まで来たら、コンサートの看板が出ていて、ちょうど始まる時間。で、呼込みの人に誘われて、ふらふらと…
実は、しろは教会コンサートが大好きなのです。石造りの教会の音響にはまってしまって…日本では聞けない音なんですよ。
教会の少年合唱団とソリスト数名、小編成のオケのコンサートでした。合唱団とソロの歌手はとてもお上手で
少年合唱団は高音がきれいに響くこの教会によく合ってました。ただ、オケがあまりお上手ではなくて…
教会コンサートって、主催も演者も目的も料金も客層も、ものすごくバラバラなんです。
観光客には、聞いてみるまでわからないところが…。今回はちょっと料金が高かったのですが、教会も見られたしまあまあでした。
コンサート中は撮影禁止で、写真は終わってからと、トイレに行くときに通った回廊です。


トラファルガー広場  奥の濃い灰色の建物がダウニング街10番地  お色直ししたビッグベン 英国議会議事堂  さすがに威厳あるウェストミンスター寺院  奥の回廊

次回はロンドンから日帰りで出かけた、ライの街です。
よろしければまたご覧くださいませ。


6/13 ロンドンの公園と植物園

今回はロンドンの公園と植物園をまとめて…と思ったら、すごく長くなってしまいました…
まとめた方が短くなるかと思ったら、写真が全然選べなくて…申し訳ございません。あと、鳥はまとめて後ろに載せてます。
ロンドンには市内に広ーい公園がたくさんあって、どこもたいてい大きな池があって水鳥がいるし、薔薇園などのお庭もあります。
一番広いハイドパークとケンジントンガーデン(つながってます)が、合わせて、差し渡し2.5qくらいかな。

しろがお出かけした順に、まずはリージェンツパーク。一番お庭がきれいな公園ではないでしょうか。
だいたい南側半分が、薔薇園を中心としたお庭になってて、整形庭園の他、滝のあるロックガーデンっぽいお庭や、水生庭園も。
お庭の外には広い芝生や、大きな池もあって、水鳥がたくさんいました。
ホテルから徒歩圏内だったので、夕方、ホテル近くのインド人街でカレーの持ち帰りを買いこんで、ピクニックしました。
夜は9時ごろまで明るいので、地元の方がたくさんお散歩したり、芝生に寝転んだり、ピクニックしたりしてました。
明るいといっても夕方なので、写真がちょっと暗くて申し訳ございません。
でかけたのは旅行の初めの頃で、薔薇園は見頃初めという感じで、まだ咲いていないエリアもありましたが、十分きれいでした。


    リージェンツパークの薔薇園        薔薇園を囲むベンチ  イングリッシュガーデンっぽいボーダー  滝の流れる庭     池がいくつもあります

さてお次はお待ちかね、キューガーデンです。ガーデンと呼ばれてますが、植物園であり、最新の研究施設でもあるとか。
大英帝国のプラントハンターの遺産でもあり、世界各地の植物が保存管理されています。
温室が、しろが入っただけで6個ありましたが、展示エリアだけでもまだほかにあるみたい。
広い森には遊歩道があり、ツリートップウォークウェイという、森の梢の辺りを歩ける施設もあります。
有名なパームハウスの周りには薔薇園や整形庭園があり、広大なハーブ園やロックガーデンがちょうど見ごろでした。
池ももちろんあります。すごくきれいな場所で、ちょうどガンの子育てシーズンでした。

そして、ここには古今の植物画の膨大なコレクションとギャラリーもあるのです。
去年、東京の庭園美術館の展覧会を見ましたが、やっぱり本場で見たかった。
ギャラリーは2つあり、1つは世界各地の植物を描いた19世紀の画家マリアンヌ・ノースが自ら建てた展示館で
文字どおり、すべての壁が彼女の絵で出来上がってるような、すごい場所です。ここは撮影禁止。ウィキペディアに写真があります。
もう1つがコレクションの展示ギャラリー。展示替えがあるようで、今期のテーマは食用植物です。
19世紀の植民地の画家から、現代作家まで、たくさんの作品が並んでました。日本人作家さんらしい名前もありましたよ。
様々な野菜や果物、穀類、豆類、イモ類の他、油を取るためのカポックとか、ハーブなどの絵もありました。
日本の作家さんのワサビの根茎とか、サツマイモも。どれも繊細で詳細で、見入ってしまいます。こちらは撮影可。

ショップも面白かったです。さすが植物園、植物の苗や種、園芸用品を売ってました。
植物画グッズももちろんあります。でもコレクションを網羅してるような書籍はどれも分厚いハードカバーで、重すぎて手が出せず
カードや絵葉書を中心に買い込みました。(こうしてみると、庭園美術館の図録はお手頃で、結構貴重だったかも。)
あ、あと、キューガーデンにはWi-Fiはありますが(これはすごいと思いました)、トイレが少ないです。
中高年にはちょっとつらいです。おいでになる際は、ご注意くださいませ。

ここは全長2q弱なので、昭和記念公園と同じくらいですが、やっぱり1日では見きれません。
それに、桜並木があったり、春先は森にお花畑ができたり、季節ごとの見どころがあるみたい。
また季節をかえて、ぜひ行ってみたい場所です。


   キューガーデン正門          植物画ギャラリー  ブリジットエドワーズ作アーティチョーク   大温室内部  ツリートップウォークウェイ


森の遊歩道のベンチ    王室由来のコテージと石楠花    大きな池があります      広い園内の緑の園路        パームハウスと薔薇園


ウォーターリリーハウス   整形庭園のアリウム    ハーブ園の芍薬        ハーブ園         ハーブ園のミツバチ        ロックガーデン

最後はハイドパークケンジントンガーデン。隣り合わせでくっついてるのに、なぜか別の公園です。なんでなのかな?
2つを斜めにつないでロングウォーターという広くて長ーい池があります。ハイドパークの南側には薔薇園、
ケンジントンガーデンの北側にイタリアンガーデンという整形庭園、西側にケンジントンパレスと大きな丸池があります。
お城のお庭は無料ですが、中には入れず、周りを囲んだ緑の園路から眺める仕様になっています。
前にも書いた、有料だけど現金の使えないトイレは、この2つの公園にありました。

もちろん広いので、全体を斜めにざっと歩いた感じです。でかけたのは帰る直前の日で、ちょうど薔薇園が満開くらいでした。
ロングウォーターには、もちろん水鳥がいっぱい。池沿いにカフェがいくつかあるので、みなさん、池と鳥を眺めてくつろいでます。
リスもたくさんいますが、動画撮ってたら、私の脚によじ登ってきて、びっくりいたししました。(動画に悲鳴が残ってしまった…)
「餌やり禁止」の看板があちこちにあるけど、どこの公園でも鳥に餌をあげてる人がいたし、リスも餌付けされてるのかな。


 ハイドパークの薔薇園    私に登ったリス  巨大な池、ロングウォーター ケンジントンガーデンのイタリアンガーデン ケンジントンパレスガーデン 公園のトイレ

そして、公園やキューガーデンで見た鳥をご紹介。大好きなカナダガンはキューガーデンの写真です。
ご家族がたくさんいて、家族ごとにいろんな大きさのひなが見られて嬉しかったです。
なぜか白いガンがいて、どう見てもカナダガンとつがい。これはガチョウかな、でもガチョウはハイイロガンと同種のはずだし…
調べたら、ときどき色素の薄いカナダガンがいるようです。白いカナダガンがたくさんいる地域もあるとか。なるほどー。
見たことのないガンとカモの中間くらいの鳥は、エジプトガン(ガンの仲間ではない)、外来種だとか…
たしかに温帯の景観とは違和感のある色柄。どの公園にも山ほどいました。…ヨーロッパの大陸側では見たことないのにな…

初めて見たカササギ。羽根の一部が構造色で、美しいブルーに光ります。カラスの濡れ羽よりさらに青くてきれいです。
こんなにきれいな鳥とは知らなくて、見かけるたびに追いかけてました。
これも初めてのホシムクドリは、公園のカフェで群れになって餌をあさってました。…地元ではあまり好かれていない様子。
結構おもしろい色柄だと思うんですけど。他にも、サギやバン、クロウタドリなどももちろん見かけました。
今回、小鳥があまり見られなくて、残念…ヨーロッパシジュウカラがいたけど、写真撮り損ねました。
小鳥の子育てシーズンじゃなかったからかも…。自然のめぐりですからしょうがないです。


       もふもふでかわいいカナダガンの親子          カナダガンと白いガン?   こちらはハイイロガン   オオハクチョウの親子


 外来種エジプトガンの親子      オオバンの親子       キンクロハジロのつがい      構造色が美しいカササギ     ホシムクドリの群れ

こういう身近な自然は、ほんとに楽しいなあ。いつもながら、緑と水と野生動物が身近でヨーロッパの方はうらやましいです。
まだまだ続く旅行記、次は、ロンドンのその他観光地という感じでまとめたいと思います。


6/11 ヴィクトリア&アルバートミュージアム

今回はヴィクトリア&アルバートミュージアム。美術、工芸、デザインについての博物館とのこと。こちらも無料、予約不要。
博物館サイトの地図を見たとき、やたらと部屋があるなあ、全部見られるかなあ…と思いましたが、…見られませんでした。
見ても見ても見きれなくて、何か意地になって、足掛け4日、合計17時間はいたと思うんですが、部屋数も収蔵品数も、多すぎ…
展示は、イギリス、ヨーロッパは時代別、その他は地域別、分野別に分かれています。
何とか攻略できたのは、ヨーロッパ、イギリス半分、西洋ファッション、ガラス、陶磁器、ジュエリー、ステンドグラス、絵画、
鉄細工、金銀細工、彫刻、モザイク、イスラム、南アジア…と、カフェと中庭くらいかな。
見られなかったのは、イギリス半分、現代デザイン、写真、演劇、東南・東アジアです。…悔しい…

やはりヨーロッパの歴史展示部分は充実してて、ルネサンス以降の宗教芸術、服飾品、生活用具、インテリアなどが目白押し。
貴重な17世紀の衣装や手袋、ブーツ、18世紀のレースやファブリック。楽器、ガラス器、陶磁器、家具調度もいろいろ。
部屋がいくつも丸ごと再現されてますし、ベッドが本体から、天蓋、寝具、ベッドカバーまで一式揃ってたり
教会のステンドグラスも美しいし、リーメンシュナイダー他、聖人像や祭壇彫刻も多数。


17世紀フランスの部屋の再現 何メートルもあるルイ14世時代のレース バロック期の衣装は貴重 リーメンシュナイダー作 16世紀イタリアのタイル 14世紀のエナメルガラス

ところが!ガラスコーナーに行きましたら、展示室にびっしり並んだガラスケースに、詰め込めるだけ詰め込まれたガラス器が…
古代ガラスから、現代アートまで、ものすごい数の作品が収蔵されてるのは素晴らしいのですが
重なり合ってよく見えないし、キャプションもわかりにくいし、ワイングラスのコーナーなんて、売り場にしか見えない…
これが、陶磁器の展示室はさらにすごいことになっていて、何部屋もつながった展示室に、展示ケースがひたすら並べられ
そこに、ざっと地域別に分けられた陶磁器が、キャプションもなく積み上げられています。
マイセンもセーブルもわかりようもなく、皿やタイルは重ねた一番上しか見えない…私の好きなビクトリアンやイスラムタイルが…涙
これが何部屋も続いてるんですから、もはや何をどう見ていいのか…これって、収蔵庫を公開してる感じなんでしょうか??

他の分野別コーナーはさすがにこんなことはなかったです。でも、展示数が多いのはどこも同じ。
ジュエリーのコーナー、展示室は大きくはないですが、垂涎物のジュエリーが古代から現代まで、これでもかと壁に並んでます。
宝石はもちろん、バロック真珠、エナメル、カメオ、モザイクなどなど。19世紀ドイツの鉄細工、初めて見たけど繊細で美しいです。
大喜びで、端から写真撮ってたら、疲労困憊しました…(展示室が暗いので、撮影が結構大変…)

絵画の部屋には写本なども展示されてて、中世やルネサンスの豪華な時祷書のほか、19世紀の懐古主義者のものもありました。
モザイクのコーナーには、ジュエリーから家具まで様々なモザイク製品が展示され、モザイク制作のビデオもありました。
テーブルトップに景色や花鳥を描いたモザイクなんて、よほど拡大しないとモザイクとは信じられない細かさです。びっくり。
この他、彫刻のコーナーには、普通の彫刻のほか、小さな象牙細工の祭壇パネルやカメオなども展示されてます。
展示台の下が何層もの引き出しになってて、そこにも小さな展示物がぎっしりなんです。
一方、鉄細工のコーナーには、長いギャラリーの壁一面に、扉や柵、階段の手すりなど、大きな作品がこれもびっしり。


ぎっしりすぎるガラスコーナー ショッキングな陶磁器コーナー 一番上しか見えないです  これでもかと並ぶジュエリー 16世紀ドイツのステンドグラス 15世紀フランスの写本

地域別の展示は、東アジアは日本でも見られるかな…と思って、イスラムを優先して見たのですが
陶磁器コーナーと違って、ちゃんとキャプション付きでイスラムタイルが見られて、ほっといたしました。
貴重な古いじゅうたんなどもたくさんあるし、イランの花鳥の細密画がリアルで繊細で美しくて驚きました。
南アジアはインド中心の展示で、イギリスで使われてた植民地製品がたくさん展示されてて、なんだかなあという感じも…

それから、見逃せないのが、カフェです。3部屋に分かれていて、それぞれ趣向の違うタイルやステンドグラスで飾られてます。
ウィリアムモリスの部屋が有名ですが、華やかなギャンブルルームや、絵画タイルが美しいポインタールームも素敵です。
カフェというからには飲食しないとと思って、ココアをいただきましたが、見学や撮影だけでも大丈夫そうでした。
そして、プール付きの中庭も素敵でした。芝生に座ったり、お天気の良い日には子供が水遊びしてます。
ガーデンカフェもありますが、持ち込みも大丈夫みたいで、私もお弁当食べてました。コロナ中には大変助かります。

あと、スタッフの方がお掃除している、貴重な場面に遭遇しました。
18世紀の椅子の布部分に、網のようなものをかけて、その上からそーっと掃除機で吸ってました。その後、専用の刷毛でお掃除。
丁寧な作業にちょっと感動。広大なミュージアムは、このようなスタッフの方々の努力で維持されているのですね。


この絵がモザイクとは信じられないテーブル 18世紀トルコの暖炉   カフェ(ギャンブルルーム)  中庭のプールで子供が遊んでます     貴重なお掃除風景

結局全部見られず、ちょっと悔しかったですが、でも、これだけの展示が無料で見放題とは、大英帝国恐るべしです。
でも、あの陶磁器コーナーは、いつの日かリニューアルされることを祈ってます。そしたらまた是非見に行きたいな。


6/7 ロンドンの博物館

さて、ロンドンの博物館といえば、一番有名なのは大英博物館でしょう。こちらももちろん無料です。
大英博物館というと、有名どころはメソポタミアの門とか、パルテノン神殿とか、でっかいものが有名ですが
もちろん、博物館に外国のものがあるのは普通だと思うのですが、ああいう遺跡そのものみたいな展示品だと
いかにも大英帝国の略奪の歴史という感じで、これは現地で見るべきでは…と、つい思ってしまいます。
とはいえ、歴史ある博物館ですから、ぜひ見たかった展示品も、行ってみたらこんなものが、と驚くような展示品もありました。

ぜひ見たかったのは、あるエジプトの壁画で、これだけはなぜか正面向きに描かれている、女性楽師の像。大きな瞳が印象的です。
お墓に描かれた一連の壁画の一枚ですが、古代の裕福なエジプト人の生活がよくわかり、どの壁画も楽しいです。
それから、ポートランドの壺。ローマ時代のカメオガラスの壺で、ウェッジウッドの食器のモデルになったとか。
古代のガラス彫刻とは信じられない繊細さで、眼福です。一度割れて、修復されてるのも有名ですが、見ると傷跡もわかります。

こんなものが、と驚いたのは、ヨーロッパ中世のコーナーにあった、リーメンシュナイダーの祭壇パネル。
この方、農民戦争に加担した罪で、忘れられた作家になっていたので、そんなに作品が残ってないはずが、こんなところに…
これは歴史的遺物として大英博物館にあるより、芸術作品としてナショナルギャラリーに置いた方が、良いのではないのかなあ…
展示室の隅っこで、あまり宣伝もされてない風でしたが、私は大ファンなので、これが見られただけで訪れたかいがあります。
それから、階段の壁いっぱいに、古代ローマなどのモザイクがいくつも飾られてました。どれも凝った装飾の美しいものです。
階段を上ると、巨大で美しいモザイクが次々に現れて、見ごたえたっぷりでした。

もちろん英国の歴史に関わる展示もありますし、時計やお金の歴史なんていう展示や、啓蒙の時代をテーマにした大ギャラリーも。
これだけの規模や範囲の収蔵品をお持ちなのは、やっぱり、さすが大英帝国という気がいたしました。


ネブアメンの墓の壁画(部分)  イングランド鉄器時代の宝物   ポートランドの壺   古代カルタゴのモザイク リーメンシュナイダーの祭壇パネル(部分)   啓蒙の部屋

お次はお待ちかね、大英自然史博物館 。こちらももちろん無料。すばらしい!
壮麗な外観も素敵ですが、有名なホールに一歩入ると、ポピュラーサイエンス好きとしては、もうアゲアゲでございます♪

自然史博物館といえば恐竜、というイメージですが、恐竜コーナーは子供たちのためのアトラクションっぽい展示だったらしく
それがコロナであちこち閉鎖になってて、ちょっとあれっという感じでした。
でも、私が一番見たかった、博物館の創設者、オーウェン先生命名のステゴサウルスの化石はありましたよ。
こちらは恐竜コーナーではなく、海の爬虫類ギャラリーの一角に鎮座されております。
このギャラリーがまた素晴らしい…他の博物館なら、一匹いれば大喜びの巨大なプレシオサウルスやイクチオサウルスの化石が
びっしりと壁に並んでいるのです。魚竜好きとしては、狂喜乱舞。
一番大きな化石といっしょに、初期の有名な魚竜化石ハンター、メアリー・アニングの肖像画が展示されてます。

同じくしろのお気に入りなのが、博物画ギャラリー。古今の貴重な博物画がたくさん展示されてます。
デジタル展示もされていて、ページをめくりながら大量の画像を楽しめますよ。
植物画の他、鳥、爬虫類、昆虫、菌類等々…ヤン・ファン・ケッセルの昆虫画まで展示されてました。
ただ、作品保護のため、展示室が暗いんですよね。自然史博物館は、まだまだたくさんの博物画をお持ちですし
博物画だけの展覧会を、明るいところで見たいなあ…などとぜいたくなことを思ってしまったりしました。

鳥のコーナーには、貴重なドードーのはく製他、たくさんの鳥が展示されています。
ドードーって、骨格からはもっと違う姿勢だったらしいですが、どうしてもこのはく製のイメージが強いですよね。
19世紀のガラスで作られた海洋生物の模型は、今では失われた技術なのだとか。
お宝としては、もちろん始祖鳥の化石や、鉱物標本の一部として、ジュエリーも展示されてました。
人類史のコーナーには、怖いくらいリアルなネアンデルタール人男性が、ホモサピエンス男性と見つめ合っています。
その他、ホールの周りには貴重な化石や標本がずらりと。上階には科学の偉人たちの像が置かれています

展示物も貴重で素晴らしいですが、建築自体も面白いです。天井のパネルにびっしりと植物画が描かれてますし
内装のあちこちに、動植物の文様が。柱は様々な植物を模していて、柱頭には鳥や爬虫類、古生物などが…
最後にホールをぐるぐる回って、あちこちに隠れてる装飾を探して歩きました。
内部装飾についての展示もあって、デザイン画の一部などが見られます。
ショップも楽しいですよ♪恐竜グッズの他、しろの大好きな博物画のプリントや絵葉書、書籍類も充実!


壮麗な外観の自然史博物館 ホールには現在シロナガスクジラが舞ってます ダーウィン先生像  博物画ギャラリーより  19世紀の貴重なガラス模型  ドードーのはく製


向かい合うネアンデルタールとホモサピエンス ステゴサウルスの化石 メアリー・アニングの発見したロマレオサウルス  天井の植物画    いたるところに動植物文様

最後はロンドン博物館、上の2つよりはマイナーかもですが、ロンドンの歴史を紹介する博物館です。
ここも無料で、予約推奨ですが、ここだけは予約チケットをチェックされたので、珍しいなあと思ってたら
何と学校からの団体見学が複数入ってて、多分それで制限人数を越えた模様…
(展示室いっぱいのノーマスクの小中生が、大声ではしゃいで走り回り…正直、旅行中ここが一番怖かったです…)

展示は先史時代から、ローマ都市の時代、中世、近世、近代、現代まで続くのですが、時間がなくて最後まで見きれませんでした。
ジオラマや模型をたくさん使った、充実した展示でした。
でも、ローマ時代の都市生活の展示は充実してるのに、中世の展示は修道院等が多かったような…
ローマ時代の市場や港の模型や、食生活の展示とか、素晴らしかったんですけどね。

そして、しろの一番のお気に入りは、チューダー時代の男性用の革の上着の試着。
もちろんレプリカですが、本革で、前面全体に細かい穴で装飾が入れられ、本格的な作りです。
着てみたら、大きさぴったり♪前のたくさんのボタンを全部留めるのが大変でしたが、ゴキゲンで鏡に映して記念撮影♪
本革なので柔軟性があって、体にフィットしますが、全然窮屈じゃなくて、とても機能的な服だと思いました。
身長152pの私がぴったりということは、たぶん男の子の試着用で、この博物館は主に子供たちが歴史を学ぶ場所のようです。
でも、日本の明治村でもグラバー園でも、こんなちゃんとした試着衣装見たことないです。
ロンドンの子供たちがうらやましい…(でも、当の小中生たちは、あまり関心ないようでした…もったいない。)


ローマ時代のロンドン中心部模型    ローマ時代の庶民の家       1600年頃の劇場模型   チューダー時代の上着を着てみました♪  博物館の窓から見える城壁跡

あと一つ、有名博物館に出かけたのですが、そちらは別途紹介させていただきます。
まだまだ続くロンドン旅行記でした。


6/6 ロンドンの美術館

…やっと、写真の整理がひと段落致しました…何しろ、無駄に枚数撮ってまして…
それも、美術館、博物館の収蔵品と、公園の鳥ばかり…撮影可の美術館が多くて、つい嬉しくて撮っちゃうのです。
今どきは、美術館のサイトに無料の高画質画像が上がってるんですけどね。
でももうトシなので、写真撮っておかないと、何を見たかすぐ忘れちゃいますし…

というわけで、まずは有名どころ、ナショナルギャラリーです。英国の誇る国立美術館。なんと無料。
ロンドンの博物館や美術館は無料のところが多いです。ただし、寄付金歓迎で、地図やロッカーはたいてい有料です。
特別展も、もちろん有料。(特別展は高いです。日本とは物価が違う…)
現在、コロナで人数制限されているらしく、無料でも予約優先のところが多いです。でも、あまり予約の確認はされなかったなあ。

ロンドンに美術館はたくさんありますが、ナショナルギャラリーは主に古典絵画を収蔵してます。
一番有名なのは、ご存じダヴィンチの「岩窟の聖母」。…ところが、ダヴィンチ先生の絵だけ、別室に厳重保管されていて
その部屋は大変暗く、撮影どころか、絵がよく見えないくらい…大事なお宝なのはわかりますけど…(涙

でも大丈夫です。こちらには、まだまだ素晴らしい名画が山のようにあるのです。
クリヴェッリ、ファンエイク、リッピ、ホルバイン、レンブラント、フェルメール、ハルス、ファブリティウス、デホーホ、
ティツィアーノ、ベラスケス、カラヴァッジョなどなど…
なぜかオランダ絵画が充実してました。他の美術館もそうだったので、イギリス人、オランダ絵画好きなのかな?
もちろん、ヴァンダイク、ホガースなど、イギリス絵画も豊富。(すいません、ヴァンダイクって、私の中ではイギリス絵画…)
今まで見たことなかった画家では、ヤン・ホッサールト、ロベルト・カンピン、カタリナ・ファン・ヘメッセンとかも良かったです。

西洋美術館のナショナルギャラリー展で見た絵もありましたが、展覧会にあった絵で、現地で見られなかったものもかなり…
ということは、現在展示されてる以外にも、たくさん所蔵品をお持ちということですよね。
展示替えがちょくちょくあるなら、機会があれば、また来てみたいですね。無料だし。
実は、隣にあるナショナルポートレートギャラリーが現在休館中なのです。こちらもいつか見たいなあ。肖像画好きなんですよ。

そういえば、コロナの手洗い奨励でしょうか。トイレにいろいろな名画の手の部分を使って「手洗いをお忘れなく」のポスターが。
トイレといえば「お近くのトイレは、絵画史700年分ほど先です」なんて表示もありました。(展示はだいたい年代順。)
こういうのを、ブリティッシュジョークっていうのでしょうか。ちょっと笑いました。
(画像は、ダヴィンチのみウィキペディアからいただきました。)


トラファルガー広場のナショナルギャラリー ダヴィンチ/岩窟の聖母(部分)  ファンエイク/自画像     カンピン/女性像          リッピ/受胎告知(部分)


ホルバイン/デンマーク王女クリスティーナ(部分)   ハルス/扇を持つ女性    デホーホ/デルフトの中庭   レンブラント/マルガレータ・デ・ギアの肖像(部分) 手洗い奨励ポスターの1枚

お次はウォレスコレクション。お金持ちの貴族の遺産が寄贈され、そのまま展示されているという美術館。こちらも無料です。
建物は小さいのですが、中身はキンキラのお屋敷美術館です。
絵画、彫刻、家具調度、陶磁器、ガラス、ジュエリー、エナメルのミニアチュール、時計、金工品など、きらきらしいお宝が満載。
マイセンやセーブルの高級磁器が並んだ大きなケースがいくつも。壁いっぱいにミニアチュールがかかっていたり
もちろん、並んでいる家具調度も装飾の美しいお宝ばかりです。そこに、絵画も一緒にずらっと掛けられています。

レンブラント、ハルス、ダウ、マース、デホーホ、ステーン、ネッチェル、ベラスケス、ブーシェ、ヴァトーなどなど…
やっぱりオランダ絵画が充実してました。こちらの美術館のメインビジュアルは、ハルスの「笑う騎士」でしたしね。
中で私が気になったのは、ホーファールト・フリンクの「若い射手」。初めて見たけど、レンブラントの工房に一時いた画家とか。
この黒人男性はどういう素性で、なぜ弓を持って、この絵のモデルになったのでしょう。ちょっと不思議な雰囲気の絵です。

最後はアプスリーハウス。ワーテルローで有名なウェリントン公爵のお屋敷をそのまま残した美術館です。
…美術館…と私は思って出かけたのですが、ほんとは違うのかもしれません。
ここにはベラスケスの傑作「水売り」が展示されていて、それを見に行ったのです。
ベラスケスの他にも、ティツィアーノ、カラヴァッジョ、マースなど、名画が並んでいるのですが
あまりライティングが良くないし、中には作者名とタイトルの記載のない絵も…

ここは撮影禁止なので、絵葉書を買おうとしたら、絵画の絵葉書は「水売り」だけ。(買いました。)
勧められたパンフにも、お屋敷とウェリントン公爵の紹介ばかりで、絵はほとんど載ってないのです。
どうやらここは公爵の偉業を称える博物館で、絵は彼の戦利品の一部という扱いなのかも…
とはいえ、結構名画もあるのですから、美術館としても力を入れていただきたいなあ。
そして、ここはナショナルトラスト的な団体が運営されてるそうですが、有料なのでした。
(「水売り」はウィキペディアの画像です。)

 
キラキラのウォレスコレクション ミニアチュールが壁いっぱい ブーシェ/ポンパドゥール夫人  フリンク/若い射手 アプスリーハウス撮影禁止なのでポスターの画像です ベラスケス/水売り

次は、ロンドンの博物館シリーズでいってみようかと思います。
よろしければ、またご覧いただけましたら幸いです。


6/2 コロナにも、プーチンにも負けず、しろがね屋…

2週間以上、お店を閉めて、何をしてたかとお思いでしょうが、実はイギリスに、それも観光旅行に行ってました。
ええ〜、今この状況で?観光旅行?と、現地在住の日本人の方にも驚かれましたよ。
でも、しろはもうトシなので、貧乏自由旅行できるのも、あとほんの数年…
コロナはともかく、プーチンごときに、その貴重な時間を奪われてなるものかと、旅行を敢行してまいりました。

もともと2020年にイギリス・アイルランド旅行を計画していたのが、コロナでキャンセルになったのですよね。
で2021年秋ごろ、来年ならなんとか行けるかも、どうせなら燃油料の上がる前にと、エアチケットを買ったのです。
2020年のキャンセルの返金で中東系の航空会社ともめたし、1回は搭乗日を変更できるサービスもあり、珍しくANAさんで購入。
ところがその後オミクロンが広まり、それがいくらか収まってきたと思ったら、プーチンの戦争!
航空機がロシア上空を飛べなくなり、航空会社は航路変更に追われ、私のロンドン直行便もどうなるかわからない状況に…
変更なら変更と早くわかれば安心なのですが、代替便が決まるのがホントに直前で、どうなることかと気をもみました。
英国はコロナ規制は全くないですが、乗継便となると、その国の規制を調べないといけないわけですし
そうでなくとも、搭乗時間が変われば、ホテルの手配が必要な場合もありますし…
結局、フランクフルト経由の便に変更となり、ドイツは接種証明があればOKということで、事なきを得ました。

英国はコロナ規制のない国、つまり、コロナはただの風邪というのを、国を挙げてやってるわけで
そこに乗り込むからには、自己防衛が必要です。
コロナ規制といえば…私の搭乗日から、欧州の公共交通機関マスク規制が撤廃されたのです。えええええ〜
とりあえず、ANAさんはマスク着用ですし、乗継便のルフトハンザも乗客に着用をお願いしているとのこと。
でも、法的規制がなければ、マスクを外す乗客もいるかもしれません。
旅行用に用意したのは、欧州規格のfpp2マスク。各国規格で、これが一番厳しいらしいです。
飛行機旅行にお勧めとの、ネットの宣伝にも、ちょっと乗ってしまいましたが(笑
近くにマスクなし乗客がいたときのために、メガネの上にゴーグルかけようかと思いましたが、結構かさばるんですよ。
大きい薄手のビニール袋を切って、ハチマキ状のものを作り、それをメガネの上からかけて後ろで縛ったら、結構いい感じ。
…見てくれは変ですが、軽くてかさばらないので、旅行にぴったり。(結局、使わずにすみました。良かった…)

皆がものを食べてるところで、マスクを外したくはないので、レストランやカフェには、基本入らないことにして
キッチン付きのアパートメントホテルを予約し、朝晩はホテルの部屋で、お昼は外のベンチなどで食べてました。
お天気が悪い日が少なくて、幸いでしたけどね。
混み合った場所では、マスクを二重にできるように準備しましたし、もちろんアルコール洗浄液も大量に…
飛行機の中では、鼻の上にだけマスクをかけ、鼻で呼吸をしながら飲食していました。
食事用に柔軟なサージカルマスクを用意し、日本で練習してから出発しました。
鼻だけをきちんと覆って、口をもぐもぐさせるのって、やってみると結構難しいんですよ。

で、現地ではどんな具合だったかといいますと、マスクをしてる方もちらほらいましたが、ほぼノーマスク。
空港職員ですらほとんどしてません。(むしろ乗客の方が、機内から付けたままの人が多いくらい。)
でも、私は喉が弱くて、冬や飛行機の中では、乾燥を防ぐためマスク付けたい人なんですよ。
以前冬にヨーロッパ行ったとき、見も知らぬ観光客に、「お前はなぜ顔を覆っている」と面と向かって言われて
それ以来、ヨーロッパではあまりマスク付けないようにしてたんですが、今ではマスクしててもある意味普通ですから
ヨーロッパで、堂々とマスク付けられて、ちょっと嬉しかったしろでした。

現地では、やっぱり感染が心配な人もいらっしゃって、地下鉄でちょっと混んでるときとか
マスクしてる人同士で、固まって座ってらっしゃるようです。ふと気づくと、周りマスクだらけってこともありました。
今後規制が緩むのは仕方ないですが、乗り物の席を、昔の禁煙、喫煙みたいに分けてもらえるとありがたいなあ。
飛行機の席を、ここからここまではマスクする人、残りはしない人、みたいに。
お互い安心で自由に暮らせるのではと、ルフトハンザさんに提案してきました。
あと、現金が一切不要になってました。これはコロナの影響ばかりではないと思いますが、現金が必要だったの蚤の市だけ。
公衆トイレなんか、逆に現金不可で、驚きました。ホームレスの人とか、使えなくて困ってるのでは…?

一方、日本の水際対策ですが…うーん、よくわからないシステムでした。
まず、入国前72時間以内にPCR等の検査が必要です。旅行者の場合は、現地の空港で検査することになります。
これは自費なので結構高いし、空港へ早く行かないといけなくて、ちょっと大変です。
厚労省のサイトに検査証明の様式が乗ってるのですが、現地では結果はメールでしかもらえません。
空港の検査施設に紙でくれないかと頼みましたが、もらえませんでした。でも、メールでも大丈夫らしいです。
でも、この高くて大変な結果を見るのは、日本の検疫の人ではありません、民間人の航空会社の人です。
検査結果から飛行機に乗れるか判断するのは、ANAの職員の方で、一方日本に着いてから、検疫で受けるのはただの抗原検査。

この抗原検査を受けるのがまた大変で…なんだか疲れていて記憶もあいまいなのですが
空港内のひたすら長い廊下をぐるぐると歩かさせるのです。
それで、あっちで何か書類を渡され、こっちの角でそれをチェックされ、また別の廊下を行くと別の書類を渡され…
その間、いっさいベンチとかないのです。トイレも封鎖されてます。
長い行程を、こまごました要求をされながら、ただただ進んでいくのは、まるで宮沢賢治の「注文の多い料理店」でした。
最後に検査結果の待合室に着いて、やっと座れます。陰性の結果が出れば、検疫終了で、入管に進めます。
この間、だれもPCR検査の結果を見てくれないので、係の人に聞いてみたけど
現場では上から言われたとおりにやってるだけで、それ以上のことはわからないとの回答。なんじゃそりゃ。

空港といえば、ベルトコンベヤーから荷物が出てくるのを待つのが普通ですが、今回は人間の方が時間がかかるので
荷物はコンベアーの周りに並べられてました。何もかも、いつもと違う体験です。
でも、私が帰ってきたのは5月31日ですが、6月1日から水際対策緩和されたそうで
少なくともイギリスからの帰国者でこんな目に遭ったのは、私が最後かもしれませんね。
現地空港での検査は残るそうですし、自分の体験から言えば、出発前のPCR検査を、日本の検疫が確認する方がずっと合理的。

あと、私の帰ってきたときはなくなってましたが、ちょっと前までは、指定場所での隔離や、自宅隔離が必要でした。
ですので、冷凍庫を準備して、冷凍野菜や冷凍食品を用意できるようにしてました。
一応、検査はすべて陰性でしたが、大事を取って、事前に準備した食糧で、2、3日はうちにこもっていようと思います。

さて、行く前も、帰ってくるときも、結構大変な体験をしてまで、いったいどんな旅行をしてきたかといいますと
主な滞在地はロンドンで、連日、博物館、美術館のハシゴと、植物園、公園を歩いてました。
…我ながら、東京でやってることとほぼ同じ(笑
でも、大英自然史博物館やビクトリアアンドアルバート美術館、キューガーデンやリージェンツパークに出かけ
ヨークやオクスフォード、ライなどの街にも足を延ばしましたよ。
次回からは、普通に旅行記を書かせていただきますので、よろしければお楽しみくださいませね。


羽田からの便、エコノミーはガラガラ フランクフルト空港の手指消毒器(私しか使ってない)  激混みのヒースロー空港   羽田の検疫では、トイレ禁止



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