☆しろの雑記帳☆


3/27 公園の桜その2とフェルメールと帝国ホテルライト館

晴れたり降ったりの間を縫って、昭和記念公園にまた出かけてきました。
雨にも負けず、新しい桜が次々と咲いてましたよ。その他に、早咲きのチューリップが咲き始めてました。
紅葉李のお花も可愛かったし、梅もまだ見頃の樹がありました。水仙も木蓮もまだまだ咲いてます。
修善寺桜に鳥がたくさん来てました。シジュウカラ、コガラ、メジロなど…どの子も素早くてなかなか写真が撮れません…
桜の品種はわかるものは画像の下にいれてますが、3枚目の可愛いピンクの桜は、プレートがなくなっててわかりませんでした。
スタッフや詳しいお客さんにも聞いたんですがわからず…プレートは修理していただけるとのことですが、今年は間に合わないかも


修善寺桜とシジュウカラ      修善寺桜とメジロ       種類不明         小彼岸          江戸彼岸


糸桜(枝垂桜)      陽光         染井吉野         大島桜            紅葉李        早咲きチューリップ

翌日は、上野の東京都美術館フェルメールと17世紀オランダ絵画展へ。修復されたフェルメールの絵画が話題ですよね。
せっかくの静謐さが失われたという意見もありますが、実物を見てみたら、やっぱり修復後の方が良い気がします。
修復で窓からの光の当たった女性の顔が明るくなり、光の粒も際立ったため、背景の画中画からはっきり浮き上がって見えます。
画中画の方はかなり暗く描いてありますし。ただ写真だと、この遠近感がわかりにくくて、確かにちょっとうるさく見えるかも。
隣に修復前の複製画がかかってますので、どうぞ実物をご覧になって、比べてみてください。
(画像は今回はウィキペディアで揃いましたので、盗まなくてすみました。)

この日は土曜日で、さすがにフェルメールの前はかなり密でした。なぜ土曜日に行ったかといいますと
印刷博物館のYR展示帝国ホテル・ライト館が土日祝しかやってないため、それと一緒に見ようと思ったらこうなったわけです。
コロナ禍で展示日が減らされ、そのため土日に都心に出かけることになるなんて、ちょっと矛盾してるような…

フランクロイドライトが建てた帝国ホテルの本館は、1968年に解体され、正面玄関とロビーのみ愛知県の明治村に移築されてます。
時代劇のロケに使われてるので、見たことある方も多いのでは…。私は何度も行ったことあるのですが
玄関が美しく壮大な分、その向こうに何もないのが悲しく…奥はどうなっていたのか、さぞきれいだったろうにぜひ見てみたい…
とずっと思ってきました。ホテルがCG復元され、VRで見られると聞いて、これは行かなくちゃと思ったわけです。
復元されたのは全体像と玄関ホール、宴会場です。思ったより大きな建物で、隅々までフランクロイドのスタイルが貫かれてます。
スタイリッシュで華麗な装飾に、目が釘付け。窓や照明の装飾、凝ったタイルや壁画…どれも美しいです。
コロナ禍でVRは1日4回先着10人なのですが、お客さん少なかったので、結局3回見ました。とりあえず満足。
でも、客室とか廊下とか、あの広い建物のもっと他の部分も見たい…どなたか作ってくださらないでしょうか。

取り壊しの理由は老朽化とかで、当時は高度経済成長期で新しい建物の方が好まれたし、修理するより安くて簡単だったのでしょう。
明治村に玄関を運ぶだけで、ものすごく大変だったそうです。とはいえ、あんな立派な建物を壊すなんて、もったいない…
コルビジェの西洋美術館より、ライトのホテルの方がずっと世界遺産に相応しいと思います。
こちらにCG動画の一部がありましたので、よろしければ…(画像の方はネットで盗んだものです)


上野の桜           フェルメール 窓辺で手紙を読む女 修復前・修復後      CGで復元された帝国ホテルライト館     ライト館内部

展覧会は混んでましたが、帰りの電車は夕方でも空いてました。これならまあ、土日のお出かけも悪くないかも。
とはいえ、感染状況が落ち着かないうちに、また次の波が来るという意見もあるそうで…皆さまもくれぐれもお気をつけて…


3/21 The Flow Magazine

久しぶりに、海外のガラス雑誌から取材をいただきました。
The Flowという雑誌です。もしかして、ご存じの方もいらっしゃるでしょうか…
中身は、メールでインタビューを受けて、それを記者の方が記事にまとめ、お送りしたとんぼ玉の画像がレイアウトされてます。
…記者の方の英語の間に、私のブロークンな英語のセリフが混じってると、えーごの下手さ加減が際立ちますね…
でも、見開きにとんぼ玉を散らしたデザインは素敵で、デザイナーさんの腕のおかげで、うちのつたない玉が引き立ってます(笑
この号のテーマは、Nature Galleryとのことで、他の作家さんの作品は生き物や植物のオブジェが多いです。
私のお気に入りは、Simone Crestaniさんのパイレックスのガラスの盆栽。リアルで風格ある盆栽が、透明ガラスで表現されてます。
酸素バーナーの、生き物のオブジェの作り方のチュートリアルもいくつか載ってます。


表紙        目次(とうちの玉)              作家さん紹介ページ                 しろがね屋の記事のページ

雑誌も近頃はデジタルが基本みたいで、現在私もデジタルでしか見られない状態です。
でも私、昔の人なので、やっぱり紙の雑誌も欲しくて、今送ってもらうようにお願いしております。
何冊かまとめて送っていただこうと思ってますが、…もしかして、欲しい方とかいらっしゃいますか?
コロナ禍で送料が高い上、今円安ですので、実費でも、結構な金額になってしまいそうなのですが
(…たぶん、リンク先から、デジタル版を購入される方が、ずっと安いのではと思います)
それでも、もしかしてご希望の方がいらっしゃるようでしたら、しろがね屋までメールでご連絡くださいませね。


3/17 久々の昭和記念公園

今年初めて昭和記念公園にでかけてきました。年末に年間パスが切れて、感染状況を鑑み、そのままにしておりましたが
このところの陽気でお花もどんどん咲き出してて、早くしないと今年の春を見逃してしまう…とちょっと焦りまして。
久々の公園はすっかり春で、あちこちに満開のお花が咲いてました。お天気も大体晴れで、昼過ぎ頃は暑いくらい。
まずはこの時期の見どころ、クリスマスローズ。今年もいろんな種類がたくさん咲いてました。
豪華な花芯がお気に入り。華やかな八重咲や、微妙な色合いの花弁も、見ていて飽きません。


各種クリスマスローズ

公園には梅園の他、あちこちにいろんな梅が咲いてます。ちょうど満開でした。
それから、早咲きの桜がもう開いてました。見頃は寒緋桜と支那実桜。支那実桜は淡い色合いのお気に入りの桜です。
河津桜は見頃過ぎ。修善寺桜は五分咲きくらいでしょうか。あと、オカメという品種は初めて見掛けました。
小さなお花の可愛らしい桜ですが、まだ木が小さかったので、これまで見逃してたのかな。
公園にはたくさんの種類の桜があって、これからあちこちで順番に咲いていきます。


満開の梅の枝        寒緋桜          河津桜          オカメ         修善寺桜         支那実桜

民家園の畑の菜の花が満開で、ミツバチがいっぱい来てました。芝生広場の菜の花畑は4月中旬とのことで、品種が違うのかな。
公園にあんなにいろんな種類の水仙があったの、気が付きませんでした。形や大きさも様々で楽しいです。
木蓮も見頃でした。コブシはちょっと見頃過ぎ。あと、クロッカスや早咲きのチューリップ、馬酔木なんかも咲いてます。
山茱萸や土佐水木、紅葉、三又、キブシなど、樹木のお花もきれいでした。
…節分草や福寿草は見逃してしまいました…。残念。また来年見られるといいな…


菜の花                             水仙各種                            木蓮

一日幸せに春を満喫してしてきましたが、ヨーロッパでは戦争でたくさん人が亡くなってるんですよね。
第二次大戦以来の難民数とかで、戦地以外でも大変なことになってます。
一方、ロシアでは情報封鎖と言論弾圧が進んでて、ときどきSNSでやり取りするモスクワのビーズ作家さんが
戦争反対の投稿をしばらくされてたんですが、それが非表示になったと思ったら、猫の飛行機用キャリーを準備されてました。
先週くらいにpaypalが制裁で止められたとき、自分が初めて海外にとんぼ玉が売れて嬉しかったことを思って、悲しかったけど
国外脱出まで考えてらっしゃる作家さんがいると思ったら、涙がこぼれました。
モスクワの講習会では楽しい時を過ごしたのですが、あれはなんだか夢のようです。
…でもまあ、あの時点でプーチンはウクライナに戦争はじめてたんですけどね。
一人の政治家が、これだけたくさんの人を不幸にするとは…日本もロシアみたいにならないよう、政治家を選ばないとと思いました。


3/13 久々のおでかけ

感染状況は落ち着いてませんが、久々に都心にお出かけしてきました。…久々だったので、翌日どっと疲れて、やっぱりトシです…
例によって、夜間営業日を利用して、展覧会のハシゴ。

まずは切手の博物館の企画展示美しき凹版切手の世界
こちらの博物館は初めて。凹版印刷とは、お札などにも使われる、精緻な版画で、今回は各国の凹版印刷の切手が展示されてます。
細かい職人芸の美しい図版がたくさんありました。絵柄別、国別などの展示がありましたが
私のお気に入りはオーストリア。ユーロになる前のシリング札も、ヨーロッパ随一の美しさだったんですよ。
ポーランドの切手がデザインが重厚で素敵でした。あと、スカンジナビアやスペインの切手も良かったなあ。
日本の切手も、凹版で刷ってた頃はとってもきれいだったんですけどね。最近の切手は絵柄が平板でつまんない…
と思ったら、ショップコーナーで見た最近の切手では、ヨーロッパでも日本と同じで凹版はあまり使われなくなってるようです。
今でも凹版が主流なのは、コレクター向きに販売している国で、特にアフリカの切手はすごくきれいで種類も豊富でした。
撮影禁止で、例によってHPの画像を盗んできましたが、私の気に入った切手はなかった…ネットで探しても無理だろうなあ。

さて、次は国立新美術館メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年
例によって、大きな展覧会は日時指定前売で、そして切符が高いです…コロナがもし終わっても、値段はこのままなんでしょうね…涙
Met所蔵品から時代別に、中世からルネサンス、絶対王政期、市民革命後と、大まかな区分で展示されてます。
呼び物はカラヴァッジョの「音楽家たち」とラトゥールの「女占い師」ですが、私はラトゥールがおもしろかったです。
カモのお金持ちから金品をスリ取る女詐欺師たちの表情が、実に克明に描かれているのに、なぜか絵の雰囲気は奇妙に平板で…
画集などで見るラトゥールの宗教画も、丁寧に描きこまれ、でも人物の表情には、敬虔というよりは、何か屈折したものを感じます。
ラトゥールの生きた時代のロレーヌ地方は戦乱で混乱や疫病が続いたそうで、神様も人間も信じにくい状況だったのでしょう。
人の醜い面にこだわりを持つ一方、やはり神様にすがりたい思いがたくさんの宗教画も描かせたのではないのかと…
今度は宗教画の方も見てみたいなあと思いました。

レンブラントの「フローラ」は、亡くなった妻サスキアをモデルにしたという説もあるそうで
レンブラントが売れっ子だった頃、実際にサスキアをモデルに描かれた、艶やかなフローラの絵を、以前見たことがあります。
華やかだった過去と、死んだ妻をしのびながら描いたのかなあと、想像をたくましくしてしまいます。
マリー・ドニーズ・ヴィレールは全然知らない画家でしたが、画板を抱えて、こちらをじっと見つめる女性の目が印象的です。
女性画家同士が、互いをスケッチしているところでしょうか。男性画家が多い展示の中で、思わず目を引かれてしまいます。
ただこの絵、絶対王政期の区分に展示されてました。制作年代も画題も、市民革命後に当たるのではないかと…ちょっと不審。

細かい描写が楽しい北方ルネサンスでは、ダーフィットのエジプト逃避行が好きでした。
ロココの絵はあまり好きではないですが、ヴァトーの絵にはときどき独特の哀愁がありますね。ベラスケスの習作も良かったです。
実はMetは若いころ一度行ったことがありますが、見るもの多すぎて、絵画はあまりちゃんと見てませんでした。
いつかまたNYに行けるようになったら、もう一度じっくり見て回りたいですね。(画像は例によってネットで盗んだものです)


上:イタリア 下:日本  ダーフィット エジプト逃避行途中の休息   ラトゥール 女占い師   レンブラント フローラ  マリードニーズヴィレール シャルロットデュヴァルドーニュの肖像

最後はサントリー美術館よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―です。
以前、トーハクさんの正倉院展でも、正倉院の宝物の復元品が展示されてましたが、今回は復元品がたくさん並んだ展覧会です。
奈良の正倉院展は会期が短いし、激混みだし、呼び物のお宝はほんの数点ですが、たくさんの復元品をゆっくりじっくり見られます。
正倉院宝物の復元は明治期から行われていたそうで、いろんな時期のものがありました。
最近の復元は、詳細な科学調査をもとに行われ、当時と同じ貴重な材料が使われ、真新しく煌びやか。
それに、制作過程のビデオや、半加工品の展示もあります。
美しい意匠や細かな細工をじっくり眺め、双眼鏡で拡大し、閉館ギリギリまで会場を何度もぐるぐる回って見てました。
豪華な螺鈿や、銀細工の細かい平脱、色鮮やかな象牙の撥鏤、細やかな木画…どれも美しい…

でも、図録を見ると、展示にない復元品がいろいろ載ってまして、どうやら巡回展のそれぞれで、出展作が違う模様。
全部見たい〜〜、狭くてもいいからもっとたくさん並べてほしい。…コロナでなければ、もう少し見られたのかもしれませんね…
あと、図録で、クローズアップは良いのですが、全体像の写真がいまいちで…これもしや、宮内庁御指定の写真とか…??
正倉院宝物(本物の方)の写真って、どの本見ても同じで、どれもいまいちなのです。写真の管理がキビシイのではと疑ってます。
せっかくの復元品くらいは、もっと自由に鑑賞させていただきたいなあ。
でもショップには、宝物の蓋物の形の飴缶とか、琵琶の形のエコバックセットとか、楽しいお土産がいろいろ。(これはいいのか?)
とりあえず、美しい伝統工芸を堪能して、満足でした。(画像は例によってネットで盗んだものです)


螺鈿紫檀五弦琵琶(裏側・部分)  木画双六局(側面・部分)       螺鈿箱       螺鈿箱(内張りの布)  紅・緑牙撥鏤尺(部分)     銀平脱鏡箱(部分)

けっこう遅い電車になってしまい、さすがに空いてました。よかったよかった。
もうすぐマンボウも解除されるという噂ですが、感染状況はどうなるのでしょうね。また遊びに行けるといいのですが…




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