☆しろの雑記帳☆


6/30 展覧会めぐり

毎年楽しみにしている、国立科学博物館植物画コンクール展に行ってきました。
今年は場所が変わって、去年までの旧館企画展示室から、新館のオープンスペースへ。
前の場所では、ガラスに向かい側の展示物が写り込みまくってたので、新しい場所の方が、撮影のストレスは減ったかも。
それでも完全な写り込み除去は難しく、離れて望遠で撮ったり、斜めから撮ったり、写真ってやっぱり難しい…。

いつもながら、一般の部の作品はどれも素晴らしくて、今回は特に、繊細な葉っぱや実の描写が印象的な作品が多かったです。
受賞作は、科博のサイトで見られますので、佳作や準佳作からしろのお気に入りのものをいくつかご紹介…
オモダカは葉っぱの立体感や全体の構図が素敵。ラクウショウの気根や実の表現もリアルで素晴らしいです。
ローゼルのつぼみや実、ツルアジサイのがく片の葉脈、アカシデの花序や果穂など、どれも繊細でうっとりでした。
ただ、今年は中高生の部で、高校生の参加が少なめでした。いつも、大人顔負けのテクニックの作品がたくさん見られたのに…
植物画って観察に時間がかかるし、今年はコロナで高校生はそれどころじゃなかったのかも…と想像すると、なんだか複雑です。


       オモダカ               ラクウショウとその実             ローゼルのつぼみ    ツルアジサイ     アカシデの雄花序

例によって、都心に出たからには、展覧会のハシゴ。(だって、五輪ピック始まったら、あまり外に出たくないし、今のうちに…)
というわけで、お次は庭園美術館ルネ・ラリックリミックス。庭園美術館でラリックは定番ですよね。
今回は、香水瓶やアクセサリー、小物や花瓶の他に、新館にレリーフなどをはめ込んだ壁を作り、当時の鑑賞状況を再現してます。
透過光と反射光両方で見られる展示が多く、より作品を楽しめます。昆虫やカタツムリなど、面白い意匠の作品もツボでした。
大きな金魚柄のお皿とか、ガラス職人を描いたレリーフも素敵でした。前の展覧会で出てた小鳥シリーズもありましたよ♪
こちらも撮影可なのですが…いつもながらガラスは難しいです…どうしてもピントが合わないとか、立体感が出ないとか…
アクセサリーはうまく撮れなかったので、一部ネットの画像です。

最後は、松濤美術館アイヌの装いとハレの日の着物。松涛美術館では、以前琉球の展示も見ましたね。
アイヌ刺繍は大好きですが、今回はハレの衣装ということで、色合いも華やかなものが多かったです。
日本の刺繍入りの着物地をアップリケした衣装や、ビーズ刺繍のヘアバンドなど、素敵でした。
トーハクさんの所蔵品がたくさんありましたが…あちらでは見たことないんだけどなあ。
(トーハクの常設展は常時展示替えしてるのに、アイヌと琉球の展示室はいつも同じなんですよ。もっと色々見せてほしいです。)
こちらは撮影不可なので、例によって、ネットで盗んだ画像です。
アイヌ柄を見るたびに、作ってみたい気持ちがむらむらと…まあ衣装は私には無理だし、外で着て歩いたら文化盗用かもですし
もうちょっとハードル低くて、うちで楽しめるものなら、何とか作れないかな…とか、アタマをひねってます。


ブレスレットヴェロニカ(部分) 香水瓶アンフィトリート ネックレススカラベ    香水瓶セミ        色置裂紋木綿衣(ルウンペ)        厚司衣装(アットゥシ)

さすがに、1日に展覧会3個は忙しすぎ…。コロナ前は、夜間延長の日を狙って出かけてたのですが、今は閉館時間が早いのです。
また、展示物みっちりの展覧会を、時間をかけて見られるようになるといいのですが…。
そして、五輪ピックは、もう間近。どうなるか、固唾を呑んでニュースを見ております…
みなさまも、くれぐれもお気をつけてお過ごしくださいませね。


6/22 久々の奈良

海外旅行も行けないし、五輪ピック前の感染が落ち着いているスキに、ちょっと旅行をということで、奈良に行ってきました。
名古屋の実家の親族が、ワクチン打ち終わったということで、ちょっとそちらにもよりまして…
例によって、消毒液常備で、行き帰りの列車では防塵マスク。お店で飲食したのは古民家カフェだけで、お客は私一人でした。
あとは全部ホテルの部屋か、ベンチでパンをかじってましたが…奈良公園で鹿にたかられて、ひどい目に遇いましたよ(涙

お目当ては、奈良国立博物館法隆寺展と東大寺戒壇院改修中に東大寺ミュージアムで展示されてる四天王像など。
でも、一番よかったのは、戒壇院が閉館中、代わりに開館している脇の千手堂の鎌倉仏の千手観音でした。
お顔も良いですが、衣紋が実にリアルに彫られていて、そこに截金が細密に入れられ、秘仏のため、その保存状態がすばらしい。
截金が天衣の裾まで入ってて、裾まで回った瓔珞に裳の裾がかかってたわんでるところまで、大変にリアルに彫られてます。
でも、あまり知られてない仏で、普通の写真集とかに載ってないのです。入手可能なのは、36万もする美装本のみみたい…
もちろん一般には撮影不可ですが、NHKさんにお願いして、取材していただいて、その放送を録画できないものか…!
ちなみに、写真はネットで探したもので、どうやら奈良の仏像ブロガーの方には、内覧会があったみたい…うらやましいなあ。

東大寺ミュージアムの四天王は、後ろからも見られて良いのですが、ちょっとライトの当て方が…
明るくて見やすいのは確かなのですが、なんとなく平板に見えるのです。やっぱり、ライティングはトーハクさんだなあ…
法隆寺展では、様式美の四天王の2体が360度で見られます。後ろ側は彩色も良く残ってるし、衣の裾の微妙な跳ねが良い感じ。
イケメンな聖徳太子像や、玉虫厨子にタマムシが2か所残ってるのが双眼鏡で確認できたのも良かった。
その他、定番仏像スポットにも…薬師寺の日光月光さんは相変わらずお美しい。興福寺の八部衆は阿修羅以外もなかなか美形です。
写真は、薬師寺の日光菩薩(堂内撮影不可なので、堂外から撮りました)と金剛力士以外は、ネットで盗んだものです。


秘仏東大寺千手堂千手観音  東大寺戒壇院四天王広目天  法隆寺四天王広目天     薬師寺日光菩薩      興福寺八部衆緊那羅    東大寺南大門金剛力士吽像

お寺もあちこち行きましたが、お気に入りをいくつか…
東大寺の戒壇院は開いてないですが、階段はいつ見ても印象的ですね。奈良に来たなあという気持ちになります。
お寺で一番好きなのは、唐招提寺かも。いつ来ても静謐なたたずまい。特に金堂の列柱と、鑑真墓所の苔庭がお気に入り。
お隣の薬師寺の東塔も美しいですね。今回修復後の特別開陳で、1階内部が見られました。天井の彩色が微妙に残ってました。
ならまちの元興寺も好きなお寺です。奈良で最古の瓦や、境内の無数の石仏や五輪塔、それを彩る季節の花も見所です。
住職さんがせっせと手入れされてるそうで、今回はリンドウとキバナコスモスが咲いてました。(写真なくてすみません。)


戒壇院の階段        唐招提寺金堂     唐招提寺の鑑真墓所の苔庭     薬師寺の東塔       元興寺の瓦        元興寺の石仏

今回初めて行った場所もいくつか。十輪寺のお堂も形が珍しくて面白いし、入江泰吉記念館の学芸員の方にはお世話になりました。
ただ、自治体の方針でコロナ閉館のところも多く、ちょうど法隆寺展が終わるのと、入れ替わりで開館だったので、仕方なく…
平城宮跡も、屋内施設は全部閉まってましたが、公園自体は開いていたので、レンタサイクルで走り回ってきました。
広大な公園内は、ほぼ草地で、そこに復元建築がぽつぽつと…とにかく広いということは、実感できます。
何しろ、あまりの広さに、近鉄の線路が中を通過していて、見学するのに踏切を渡るという…
まだ人口も少ない新興国が、大陸諸国に並ぼうと、必死で背伸びしていたのが、よく理解できました。

ちょっと足を延ばして、今井町にも出かけました。戦国時代、興福寺の勢力や信長と対抗していた、環濠防衛都市。
今残っているのは、天領になった江戸時代の街並みですが、城塞都市マニアとしては、一度行ってみたかったのです。
ただ、町屋の展示は全部閉館中で、仕方なく古民家カフェをハシゴしました。…まあ、いずれにしても戦国時代の展示じゃないし…
周りの堀は、当時は幅5mくらいはあったらしいですが、今はただの水路です。堀の内側に土塁もあったとか。
でも、水路に沿って街を一周するのは、当時が偲ばれて、ちょっと楽しかったです。


平城宮跡公園の朱雀門と近鉄の線路     遣唐使船の復元    今井町の街並み        古民家カフェ   窓の格子から通りを見る     堀の跡の一部

さて、五輪ピック準備もそろそろ始まるし、7月からはしばらくおとなしくする予定です。
あんまり感染が広がらないといいですが…せっかくアメリカ行きのEMSだけは再開されたのに、普通便は休止のままだったらつらい…
うちの自治体は、まだワクチン券も届きませんし…やっぱり、田舎だからしょうがないですね。
皆様も、引き続きお気を付けてお過ごしくださいませ。


6/11 今週のお花見

昭和記念公園が、やっとまた開園しました。はあ…やれやれです。
このところ、開いては閉まりの繰り返しで、またすぐ閉まっちゃうような気がしちゃって、とにかく急いで行ってきました。
それから、そろそろ満開になってるはずの吹上しょうぶ園にも、またお出かけしてきましたよ。

公園のこの時期の見どころは、まずはアジサイです。花木園の南側に、アジサイがたくさん植えられたエリアがあるのです。
いろんな種類のアジサイがあって、小道をぐるぐる歩き回るのも楽しいです。
このエリアはアジサイのシーズンにしか来ないので、ちょっと迷ったりしましたが、まあそれも一興。
私はガクアジサイの方が好きなのですが、最近のタマアジサイは、花房の中にいろんな形のお花が混じったりして、すごくきれい。
花木園以外にも、盆栽園にヤマアジサイの鉢があったり、西立川口近くにカシワバアジサイも咲いてます。


アジサイ各種(一番右はカシワバアジサイです)

春に来たとき咲き掛けだった花の丘のポピーが、まだ咲き残ってました。
それはいいのですが、ここ、今年はポピーではなくミックスガーデンだったのかなあ。ポピー以外にもいろんな花が咲いてまして
それが…菜の花もポピーもヤグルマギクもカモミールもヒマワリもコスモスも、全部一緒に咲いてるんですよ…
花の丘は、以前他のお花畑だったこともあるので、菜の花、ヒマワリ、コスモスは、そのときのこぼれ種かも…
ミックスガーデンにしても、菜の花とコスモスを一緒には植えませんよね。
…それにしても、ここはどこ、今はいつ?…と、ちょっと頭がクラクラする光景でした。…これも温暖化の影響ですかねえ…
でも、今年のポピーは八重咲が多くて、バレリーナの衣装みたいなフリフリのお花が、とってもかわいかったです。

これも毎年楽しみにしている、八重咲ドクダミ。変わり咲きがたくさん出る群落があって、面白い形のを探すのが楽しいです。
葉っぱと混じっちゃって、ちょっと緑色に変わってるのが、好みです。
日本庭園のハナショウブも見頃で、トンボもたくさん来てました。見たことないトンボは、コフキトンボの帯型と思います。


狂い咲きミックスガーデン    バレエのチュチュみたいな八重咲ポピー    変わり咲きの八重ドクダミ    コフキトンボ帯型    ハナショウブと赤トンボ

吹上しょうぶ園には、翌日出かけたのですが、こちらのハナショウブも今が一番見頃と思います。
何と、今年はコロナの影響で、しょうぶ祭は中止だそうで、屋台とかはないですが、その代わり無料でお花が見られます。
ピンク、群青、紫、などのハナショウブが咲き乱れて、大変美しかったです。
今回は、ちょっと形の変わった種類を選んでみました。
一番左だけは昭和記念公園の八重咲です。八重というか、花びらが9枚あるように見えるんですよ。大変豪華で、お気に入り。
しょうぶ園には、何と五弁のハナショウブがありました。こんなの初めて見ました。
5枚の花弁が見えるように、上から撮ったので、ますます不思議な感じですが、横から見るとちゃんとハナショウブなんですよ。
それから、花弁の乱れた変わり咲きのと、上の花弁がすごく立ってるタイプです。
色とりどりのハナショウブのほか、アジサイやタチアオイなども咲いていて、とても楽しめます。
お天気が良くて暑いくらいでしたが、谷戸の奥は木陰で涼しくて、ベンチでお花を眺めていると、大変幸せでした。

 
日本庭園の八重咲ハナショウブ     谷戸地に咲き乱れるハナショウブ      五弁のハナショウブ       変わり咲き     真ん中がすごく立ってます

さて、昭和記念公園は、このまま開園し続けてくれるのでしょうか。
…何しろ、オリンピックもありますし、ちょっと油断できない感じ。
しょうぶ園は、まだしばらくは見頃と思います。無料で見放題のハナショウブ、お近くの方は是非どうぞ。




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